井口まみ
井口まみ井口まみ

あきらめずにみどりの保全を-7年越しの運動が実る

1あきらめずにみどりの保全を-7年越しの運動が実る 春の嵐から一転、穏やかな日差しの休日となりました。桜の花もほころび始めた多摩自然遊歩道を130人の人たちと歩きました。7年越しで求め続けたみどりの保全が実現した現場を確かめ、さらにいまがんばっている地域を励まそうという「みどりのウォーク」がおこなわれたのです。

麻生区多摩美。まわりはすべて保全された緑に囲まれているのに、2あきらめずにみどりの保全を-7年越しの運動が実るたまたま道路で1000平方メートル程度の緑地が隔てられています。川崎市の保全の基準は3000平方メートル以上で、ここは保全する緑地の対象ではないと、開発を許可されました。でも、どう見てもこれはみどりが連なっている。だいたい斜度25度のこんな急峻ながけに住宅を作ること自体おかしい、と陳情や請願を受けて議会で議論しました。その議論の中でがけ地に段々にマンションを作ることに規制がかかるようになり、マンションがだめになって事業者が転売。戸建計画になるなどこの7年間、いつ木が切られるか、本当に危ない状態が続きました。地元の皆さんは、あきらめず川崎市に「何とか緑地にしてほしい」と求め続け、自らも「トラストの会」を立ち上げて資金を集めはじめました。それがついに、川崎市を動かし、緑地保全の基準をかえて、このみどりを保全することにしたのです。住民の皆さんの熱意が市を動かした瞬間でした。その現場に立ち会った私たち。いまは荒れ放題ですが、ウグイスがお祝いに鳴いてくれて、なんだか輝いて見えました。

3あきらめずにみどりの保全を-7年越しの運動が実るそこから多摩自然遊歩道をちょっと抜けると、ジャイアンツの2軍の寮に出ます。その脇もたたかって残した緑でした。4年前私がまちづくり委員のとき、多摩自然遊歩道の片側の斜面を5メートルのコンクリートのよう壁にして、住宅地を造成するという計画がもちあがり、陳情が出されました。遊歩道の反対側は麻生区健康の森。むき出しのよう壁などとんでもないと、あの手この手でがんばった結果、市が隣接の所有地と交換して、緑地帯を残しました。それがこの写真の左手の緑になります。もう4年前になるんですね。あのときの委員会の激論を思い出すと、皆で守ったんだなあと感慨深いものがあります。

4あきらめずにみどりの保全を-7年越しの運動が実るそしていまたたかいのさなかなのが、この守り抜かれたみどりにつながる、菅馬場の女子大の脇の戸建の建設です。1300平方メートルを所有し、木をすっかり伐採しながら、500平方メートル未満の戸建だけを申請して小分け開発をしようとする手口に、議会で厳しい批判の声が上がっています。この現場に130人もの人が集まって、「次はこのみどりを守ってお祝いのウォークをしよう」という声が上がる。なんと頼もしいんだろうと、うれしくなりました。

多摩美のみどりを守った会の皆さんがこういわれました。「決してあきらめてはいけないんですね。がんばればかならず変えることができる」。私も肝に銘じてがんばろうと思います。