井口まみ
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「こどもの貧困」をなくすために

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日本の子どもの7人に1人が貧困ライン以下で暮らしている…。新聞で報道されていましたから知っていますが、具体的な話を聞くと、この日本で本当にそんなことが起こっているのかと、にわかには信じられませんでした。

議員団主催の講演会が続きます。今日は立教大学教授の浅井春夫さんの「子どもの貧困の現状と政策の課題−国と自治体は何をすべきか」というテーマで行われました。浅井さんは全国から集めた子どもたちの深刻な貧困の実態を、怒りをこめて次々とあげました。

中学生になってどうしようもなくなって歯医者に行ったら、総入れ歯にするしかないような状態だった。こうなるまでにどれだけ痛かっただろう。朝食も夕食も満足に食べられないので、給食だけが栄養源で、夏休みはないので、1月で10キロも痩せてしまった。そんなことが大袈裟でなく、各地から報告されるというのです。日本は経済大国ではないのか!もう怒りでいっぱいです。

浅井さんは、子どもの貧困は単にその時に満足な生活ができないという問題だけでなく、三重に重大な問題を持っていると解明します。一つは人生のスタートラインでチャンスに不平等があるということです。親にお金がないと、どんなに能力があっても大学にいけない。二つに、子ども期の「健康で文化的な」生活を送る権利、教育を受ける権利の侵害であること。三つに、人生の初めの段階で希望や意欲、やる気を奪うものであること。どれをとっても許されるものではありません。

浅井さんは、国や自治体が何かやってくれるのを待って、それにあれこれ言うのではなく、自分たちで政策を作ろうと呼びかけました。その作り方の提案もありました。何よりも現実から出発するのです。給食を提案するとすぐに「親の愛情弁当のほうがすぐれている」という意見がだされます。川崎もそうです。「でも」と浅井さんは言います。「現実に弁当なんか持ってこられずに、校庭で時間をつぶす子どもがいるのだから、ただちに給食を実施するという提案をするべきだ」と述べました。そういう思いが必要だと強く思いました。

日本の家庭に生まれたばっかりに、人生を諦めなければならないなんて、あってはなりません。日本に生まれたからこそ、どの子も幸せになれるという国を、川崎を作りたいと思いました。