井口まみ
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保育園を運営している人たちの苦しみ

保育会2 写真はとても楽しそうな出し物の様子です。川崎市保育会-川崎市内で認可保育園を運営している社会福祉法人の集まりの新年会で、園長先生たちが出ているのですから、こういうのはお手のもの。舞台の飾りつけも、テーブルセッティングも、来賓の名札(下の写真)もぜんぶ保育士さんの手づくりで、400人もの保育士さんがつどう、とても楽しい新年会でした。

が、会長のごあいさつは深刻でした。高津区のある保育園では、この1月の入園申し込みで、0歳児は枠が13人。ここに90人近い申し込みがあった。8人の枠の1歳児はなんと100人もの申し込みがあったというのです。川崎市は親の就労の状況でランクをつけており、もっとも入所に近いランクがA。その中でもさらにランクわけをして、A6というのがもっとも「保育に欠ける」状態の人なのですが、0歳で申し込んだ90人の人のうち、A6が30人もいるというのです。保育園が足りないというが、あまりにも足りなさ過ぎる。この親御さんたちはどうするのだろうと、胸が痛む、とごあいさつされました。

巨大なマンションを作るのにはなんのペナルティもなく、どんどん呼び込んでおいて、こうした基盤整備は後手に回っています。本来は市民のために必要な公共施設を整えるのと一体にまちづくりをするべきではないでしょうか。保育園がなければマンションは作れないくらいの手を打たなければ、マンションは買ったが保育園に入れなくて仕事を続けられない、という若い世帯がどんどん生まれてしまいます。じゃあ幼稚園にしようかと思えば、川崎は全国1といっていいほど幼稚園の保育料が、ダントツに高い都市です。ましてこの不況です。子育てに対する支援がなければ、まさに生きていけない状況も作り出してしまいます。保育園を作ること、幼稚園の保育料補助なども東京並みに引き上げること、こうした施策は緊急におこなわなければならないと、つくづく思います。

この保育会では、保育士さんのスキルアップのためにさまざまな研修会をおこなっていることも紹介されました。日本の保育園は、ただ子どもを預かっているだけでなく、子どもの発達を研究し、子どもが健やかに成長できるように理論と実践を積み上げてきた歴史を持っています。それをしっかり若い保育士にも伝えようと努力をしているとのこと。しかし川崎市はとにかく数が足りないからと、利益を追求しなければならない株式会社に保育園を次々に作らせています。これも保育の質にとって重大です。福祉の世界で儲けを出すには人件費を削減する以外に方法がないので、非正規か若い人ばかりにして、経験の蓄積ができないという弊害が生まれるからです。こういう問題も大きいということがあちこちで語られ、深い問題意識を持ちました。

保育会1 年明けからさまざまな団体から呼んでいただいて、たくさんの新年会に出ています。そこでたくさんの声をうかがうことができ、あらためて、市民の皆さんの声にこたえる政治にしたいと強く思う1月でした。