井口まみ
井口まみ井口まみ

やっぱり船が来ない!1000億円の巨大なムダづかいが明らかに

untitled 共産党川崎市議団が調査機関に委託して、「川崎港が国際コンテナ戦略港湾構想にくみこまれたらどうなるか」という調査研究をおこなっていましたが、その報告書が出来上がり、報告会を開きました。200名近くが集まり、熱気あふれる報告会になりました。

山口不二夫明治大学教授、小出修三海事再生委員会委員のお二人が詳細な検討を行いました。国際コンテナ戦略港湾というのは、世界の物流に利用されているコンテナをたくさん日本に呼び込むために、日本にたくさんある港の中で京浜港(横浜港、東京港、川崎港)と阪神港(大阪港、神戸港)に集中的に国と自治体の巨額のお金を投じて、岸壁の整備や港の運営方法を変えようというものです。下の写真は、今でも船が来ない川崎市のコンテナターミナル。船がいないので、コンテナを積みおろしするガントリークレーンが遊んでいます。国際コンテナ戦略港湾構想では、川崎市が主体となってこのコンテナターミナルをあと3つ作る計画です。

お二人の指摘は、まず、この計画に関連する文書を隅々まで読んでも、「なぜ日本にコンテナをたくさん入れなければならないのか」「何を輸入し、何を輸出しようとしているのか」がまったく書かれていないということでした。「国際競争力が落ちている」からなんとかしなければ、というが、日本は輸出入量は、ずっと増えており、いまさら足りないものがない。これから競争するようなものはない。あるとすれば、ただコンテナの数が少ないというだけで、それが何故いけないのかという分析はまったくない。つまりこれはただ岸壁を作りたい、ただコンテナを釜山や上海のように積み上げたいというだけで、それが国民に取ってどんな意味があるのかという説明は一切ない、というのです。

 DSCF2088 そして衝撃的だったのは、巨大なコンテナ船は日本には入ってくる道理はまったくないということでした。日本の貿易相手は半分以上がアジアです。巨大なコンテナターミナルが必要なのは、北米やヨーロッパとの荷物のやり取りであり、今世界は、アジア大陸に拠点を持ってそこから小分けをして日本やアジア各地に物を運んでいる。そのルートはすっかり確立され、港を管理する会社が世界をまたにかけて荷物を24時間追いかけて管理しているそうです。後からこんな小さな島国のしかも東京湾の奥にどれだけ大きな岸壁を作ってももう船は来ないというのは、日本の海運会社も言っている。忠告しているというのです。それがわかっていて岸壁作りに突進するのは、とにかく税金を使って岸壁を作りたい。鉄とコンクリートを消費するための理屈にしたいという風にしか見えないとお二人は強調されました。

そんなことのために市民の税金を、当面だけでも1000億円も使うのか!!会場の中には怒りが広がりました。これはやめさせなければならない。日本共産党以外のすべての党がこの計画の推進に旗を振っていることも報告され、「なんとしても選挙で審判を」という声が広がりました