井口まみ
井口まみ井口まみ

映画の世界に浸っていました

いよいよ予算審査の3月議会を控え、世の中も選挙を前にしてざわざわしているので、ちっとも落ち着きません。そんなとき、全く違う空間に放り込まれて、ちょっとホッとしました。

untitled今年65回になるという「毎日映画コンクール」の表彰式がミューザかわさきシンフォニーホールで行われ、招待状をいただいたので、ほとんどミーハーな気分でうかがってみたのです。「日本映画大賞」はあの「悪人」。李相日監督が出席していました。優秀賞は「春との旅」。新聞で仲代達也さんの演技が素晴らしいと読んだだけでしたが、新人賞も女優さんがとりました。堤真一さんや寺島しのぶさん、稲垣吾郎さんなんかがいて、ひとりひとりがその作品への思いや来た道を語ります。田中絹代賞を取られた江波杏子さんは、ものすごいオーラで映画への思いを語りました。3階席で舞台は遠く向こうのほうでしたが、なんだか自分も映画通のような気分でききいっていました。

ほかにどういうコンクールがあるのかも知りませんが、このコンクールは製作スタッフに賞を出すのも特徴とのことで、録音賞とか美術賞とか音楽賞という表彰もありました。「コツコツと自分の仕事をやってきて、始めてほめていただいた」という挨拶にはぐっときました。友人にもこういう仕事の人がいて、「好きだからできるけど、安い給料でうちに帰る暇もない」と常々言っているので、たいへんなんだろうなあと思っていたからです。

映画館で映画を見るなんて最近は、そうだ、「相棒」は見に行ったな。その前は何年かという感じです。でもこうしてみると、たくさんの映画が作られて、そこにはたくさんのエネルギーが注がれているのですね。その人たちの思いに少しふれて、私のいる世界とは全く違った、なんだか豊かな世界に浸れて、少しうれしかった。ミューザを出たらすぐ現実世界に引き戻されましたけど…。