井口まみ
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太陰暦から太陽暦に替わった理由とは?前進座のお芝居です

untitled 日本共産党神奈川県後援会の貸切で、前進座のお芝居を観ることができました。時の権力の横暴に庶民がちょっとたてついてみた。ちょっと溜飲を下げてみた、楽しいお芝居でした。

「明治おばけ暦」です。花道の真下で、見上げれば役者さんが走っていく、という席でした。もともと日本の暦は月の満ち欠けにあわせていて、1年が354日しかありません。どうしてもうるう月が生まれてしまい、1年が13月の年もある。他国と付き合うには暦が違っては困るのだと、無理やり、11月も半ばになって、「12月3日を1月1日にする。その日から太陽暦にする」というのです。お上がやるといったらどんなに庶民が困ってもやれてしまう。今の何かの税金とよく似ていること。あわてて暦を変えた理由は財政難で、うるう月がなければ給料を払わなくてもいいからだったからだというのは本当の話なんだそうです。

大隈重信を連れ出して、どんなに困っているかと一芝居打って訴えるのですが、政治が急に変わるわけではありません。「お国のためだ。我慢してくれ」で終わりです。でも、庶民はずっと季節とともに暦を作り、それで生きてきました。それをあっさりと捨てることはできません。太陽暦の中に季節の節目を織り込んだ暦を作ります。政府が禁止するので版元が次々と変わる、お化けのような暦です。でもなくならないのです。庶民が作り上げてきた歴史を権力でむりやり変えることはできない。したたかに、長いものに巻かれっぱなしでなく生きていく庶民の力が感じられました。前進座のお芝居は観終わって、ほのぼのとあったかいのが大好きです。

このお芝居、劇中劇で、古典的な歌舞伎を観ることができるのも面白かった。この前河原崎國太郎さんがやってた「切られお富」を若い方がやっていました。うけつがれていくのですね。

共産党の後援会が歌舞伎のお芝居にツアーを組んでいくなんて、ちょっと粋でしょ。硬いことを言えば、「よりよい文化を育て次代に継承する」取り組みです。本当はもっとたくさんの人たちが財布の心配もせずに演劇や音楽、映画などに親しめるような国を作りたいと思うのです。その一つが日本の伝統芸能です。だから私も張り切って次のお芝居に行こうと思うのです。次は何かなあ。