議会活動報告

一般質問その3 ~民間の建築確認の責任はだれがとる~

2011年12月31日

住宅25 マンションが建つたびに周りとトラブルが起きています。もう無理やり作らないと土地がないのでしょう。急な斜面だの、閑静な住宅街だの、トラブルをわざわざ起こしに来ているのかと思うようなひどいマンション建設が目に付きます。いろんな法の不備があるからできるのですが、特に腹が立つのは、建物の建築確認を民間の検査機関ができるようになって、行政が市民の声に耳を傾け事業者に指導することがまったくできなくなったことです。最低基準である建築基準法にさえ合っていれば、どんな物でも建てられるとばかりに、ひどい建設が、あっというまにどんどんと認められています。

建築確認をするのは、もともと「特定行政庁」である川崎市です。しかしこの民間の建築確認が認められてから、市には、A41枚の報告書が来るだけで、市は一体どんな建物が建っていくのかまったくわからなくなりました。だから指導のしようもないといわれてきました。

2005年、ある最高裁判決が出ました。横浜で、民間の建築確認検査機関で建築確認を行った建物が、周辺の住環境を悪化させるとして、その民間の建築確認の取り消しを求めていた住民が、建物が完成し、確認の取り消しを求めることができなくなったあと、損害賠償を求める相手を、「建築確認に関する事務は自治体の事務であると理解するので、自治体に請求してもよいか」という裁判を起こしました。最高裁は「建築物の計画が基準に適合しているということを確認するのは自治体の事務である」「指定確認検査機関(民間の検査機関)は特定行政庁の監督下である」と認めたのです。これはあくまでも、損害賠償請求の対象になるかどうかということであり、実際に損害賠償請求をしてもどうなるかは別の問題ですが、とにかく、建築確認の事務は民間が行ったとしても、自治体の事務であり監督責任があることが確定しています。

6年も前の判決だったのですが、私はまったく知りませんでした。偶然、あるホームページを見ていて知ったのですが、これはたいへんなことだと思いました。だって、市は民間の建築確認の内容なんて、まったく知りえないのです。事業者が周辺の住民にまったく説明もせずどんどん工事をしてしまうようなとき、市に資料の公開を求めますが、民間が建築確認をおろしてしまうと、市には図面がなく、何もわからないという状況です。それで、もしなにかあったとき「市に監督責任がある」なんていわれても、どうするんだろう。

質問したらすさまじい状況がわかりました。1年間に川崎市でおろされる建築確認は約6000件。その93%は民間でおろしています。一日30件もの報告書が市には押し寄せてきますが、それを見ることができる職員はたった4人だというのです。本当に川崎市が法律が言うように、建築確認の事務は自治体の事務で、民間の機関の監督責任があるというのなら、この状態を改善しなければなりません。

もし民間の建築確認に違法性があれば、その確認を無効にできるという権限を市は持っています。もしこれを行使せず、その建物で市民が損害を受けたら、市が市民の命とくらし、安全を守らなかったということになります。直ちに人を増やし、図面も手に入れて、この川崎では、まともな市民のための建物を立てるようにするべきと求めました。