井口まみ
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街を歩いていると…桃の花と包丁

桃の花商店街を歩いていたら、花屋さんに呼び止められました。「もうなんとかしてよ。こんなに景気が悪いのに、ほんとに消費税あげるの?冗談じゃないよ」と話が止まりません。ちょっとは期待した民主党は、やると言ったことは何もせず、やらないと言ったことをどんどん進める。もうこりごりだ。でも自民党も信じられない。花というのは、儲けの薄い商売で、売れ残ってしまったら捨てるしかないといいます。川崎市はもう10年も前に、こうした小さな事業所のごみも有料化したので、仕入れにもごみにも金がかかる。これで税金が上がり、国民健康保険も上がるなんて、生きていけない、と、本当に切実です。「井口さんとこしかないんだからさ。がんばってよ」と、桃の花をつつんでくれました。お雛様も出していないのですが、早速飾りました。

翌日、ひとり暮らしの高齢者の方に用事があってたずねたら、こちらでは包丁をもらいました。広いおうちに一人で暮らしておられるのですが、やはりひとり暮らしだったお隣の方が最近亡くなったというのです。そこに近所に住む甥ごさんが片づけに来ているんだけど、「とにかくものが多いの。ずっと前に亡くなったご主人が刃物を作る方だったようで、包丁が20本もあったので、それをもらってきたから、わけてあげるわ」というわけです。この方も、隣を見てなんとかしなくちゃ、と、2階からタンスを下ろしてかたづけたそうです。一人暮らしの身じまいの仕方が身に迫ってきます。これからどんどんひとり暮らしが増えていきます。だれかがそばにいてくれるだろうか。残った家はどうなるのだろうか。社会のつながりをつなげていくことができるのだろうか。とてもよく切れる包丁で、スパッと切ってしまえない思いが残りました。

街の声を何としても議会へ、政治へ届けなければいけないと、つくづく思います。