井口まみ
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伝統工芸を守るということ

IMGP0814国立近代美術館工芸館で開催されている、人間国宝・北村武資さんの織物を見に行ってきました。全く衰退してしまった織物の技法である、「羅(ら)」と「経錦(たてにしき)」を復活させ、さらに現代に発展させるという仕事の内容を詳しく聞くことができ、それはそれは勉強になりました。うまく説明することは私にはできませんが、出来上がった織物はとてもすてきで、いつまで見ていても飽きませんでした。

この展覧会、ある呉服屋さんのご主人が紹介してくれました。「伝統的な織物や染物などの技術がどんどんなくなっていく。何としてもこれを守らなければならない。10年後ではもうだめかもしれない。今なら間に合う」と、大変な熱意を持った方で、こうした作者を次々に紹介して、本物を見る会を開いています。美術館の学芸員の方も、「作家も生活がある。作ったものが売れなければやはり技術も途絶える」と言われます。なんでも外国から安いものが入ってくればいいというのは、文化を壊すことだと、私も常々思っているので、すごく共感しました。

共感しても、ない袖は振れないので、私はただただ見るだけでしたが、でも、一生懸命見ている者もいるんだということをアピールしておきたいと思います。毎月こうした案内が来ているので、できるだけ行ってみようと思っています。

IMGP0816国立近代美術館工芸館は千鳥ヶ淵のすぐそば。サクラが満開でした。人もいっぱいでした。季節の春は確かにやってきました。あとは政治にも春を。消費税なんかあげたら、文化は真っ先に壊されます。