井口まみ
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第56回稲田つつみ寄席、よかったよぉ~

今回は若手の組み合わせです。新宿や浅草まで電車に乗っていかなくてもこんなに近くでじっくり落語が聴けるなんて、しあわせ!

 IMGP0973 口開けは、珍しく女性の講談です。神田真紅さん。大学で日本史を学び、講談の世界に入って3年目だとか。題目は「桂昌院」。3代将軍家光公の側室になった桂昌院はいわゆる美人じゃなかった。なぜ美人でなくても側室になれたのか?!「講釈師 見てきたようなうそをいい」といいますが、いったいどこまでほんとなんですか?と聞いたら、「桂昌院が側室になって世継ぎを産んだのはほんとです」。

IMGP0979 二つ目さんの落語は春雨や雷太さん。「悋気の独楽」です。29歳。まじめに落語を勉強している!って感じです。雷太さんの大師匠は踊りを踊る一門だそうで、落語のあと、1曲踊ってくれました。打ち上げのとき聞いたのですが、弟子入りしたら師匠が「うちで住み込むよりも、旅館で修行して来い」といわれて、5ヶ月岐阜の民宿で住み込みで働いたとか。そうまでしてなりたかった落語家だそうです。

IMGP1006 いろものは、太神楽の鏡味初音さん。こちらも30歳になるかならないかだそうですが、見た目はとにかく細くて、折れそうで、まだ10代?って感じの華奢な女の子です。それがあごに棒を乗せて、そのうえに茶碗をいくつも乗せて、大丈夫かしらん、と思わず見入ってしまいます。

IMGP1013 トリは春風亭傳枝さん。2年前に真打になりましたが、つつみ寄席にはそのまえの鯉之助さんのときに2度来てくれています。今年40歳。「宿屋の仇討ち」です。いつも思うのですが、おんなじ人がしゃべっているのに、ちゃんとお侍に見えたり、築地のお兄ちゃんに見えたりするんだから、落語というのはほんとにすごい。

さて、この寄席は、当日券の売上げだけではとても間に合わないので、年会費6000円の木戸会員によってささえられています。木戸会員になると、年2回の公演に2枚ずつのチケットを差し上げるのと、終わったあと芸人さんといっしょの懇親会に参加できます(会費制)。さらに今回から、「稲田つつみ寄席 根多帳」という会員ニュースを発行することになりました。前回の懇親会で平治師匠が「時代が変わって、最後のおちがよくわからないという人が増えている」という話をしていたので、いっそう落語に親しんでいただくために、つつみ寄席で話されたネタを再録してみようと思ったのです。

今回の話も、私の感想文ではさっぱりわからないでしょうから、木戸会員になっていただければ詳しくお知らせします。お待ちしています。