井口まみ
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他国に水を売りに行く?!水ビジネスには反対です

SONY DSC六月議会一般質問で、「水ビジネスの国際展開」についてとりあげました。

川崎市は「上下水道分野における国際展開の実施方針」を策定し、いわゆる「水ビジネス」に乗り出すことを明らかにしました。民間企業と「川崎水ビジネスネットワーク」を形成し、海外進出できる対象などを検討するというものです。

「水ビジネス」と聞いて真っ先に思い浮かぶのは、「水巨大メジャー」です。フランスやイギリスの大企業が、世界の都市で水道を作り水を売っています。これで大儲けをあげているとして、大変な問題になっています。それに日本の企業が、川崎の企業が乗り出すというのでしょうか。その懸念を議会でぶつけたのです。

まず、私は、2010年7月、国連総会で決議された「水と衛生に対する人権」で「安全できれいな飲料水は欠かすことのできない人権である」とうたわれていることを紹介し、市の見解をただしました。平岡陽一・上下水道事業管理者は「国連で安全で清浄な飲料水と衛生に対する権利が決議されている。本市においてもほぼすべての市民に上下水道を利用していただいており、引き続き安全で安定的な水の供給に努める」と、本市の水道事業は決議に沿ったものであると認めました。

しかし日本の状況は深刻です。「日本政府はこの国連決議に棄権した。水ビジネスの旗振り役は日本の大企業の思惑を受けた経済産業省で、世界の巨大水メジャーに対抗して水でもうけを上げようとしている。水メジャーは生きるのに欠かせない水を独占し、貧しい国で高い価格で売りつけるということが問題になっている。水ビジネスに乗り出すということは、世界の人々を苦しめる片棒を担ぐことになる可能性があり、やめるべき」とただしました。

平岡管理者は「職員の海外派遣や研修生の受け入れを通じて海外への技術支援を進めることで世界の水環境改善に貢献する」と、自治体が行うことは限定的であると答弁しました。私は「水ビジネスと標榜する以上その危険性を否定できない」とかさねて中止を要望しました。