はつらつレポート

山形県、仙台市に視察に行きました

2012年10月23日

共産党のまちづくり委員、環境委員の4人で、山形県と仙台市に視察に行きました。それぞれの委員会の所管事項の研究なので、環境委員の私は、山形では震災瓦礫の広域処理について、仙台市では水道の災害復旧について聞くこととし、まちづくりの所管事項は山形では住宅リフォーム助成、仙台では谷埋め盛り土の震災時の崩落対策について、実に興味深い話を聞くことができました。盛り土の崩落では現地も見学することができ、ものすごいショックを受けてきました。

山形県で学んだこと

DSC03060まず、がれきの問題。なぜ山形に聞きに行ったかというと、宮城県は可燃物の処理はほぼめどがついたものの、不燃物、特に漁具漁網に困っており、神奈川県にも国から打診があったとのことで、漁具漁網の受け入れ実績のある山形県に、どんな問題があるのか聞いてみたいと思ったことからでした。漁具漁網は、特殊なカッターでしか切れない塩化ビニールや金属のワイヤー、鉛の重りなどがしっかりと編みこまれており、分別にはとても時間がかかること、しかしこのまま埋めるととてもかさばり、どこの最終処分場でもとても受け入れられないこと、しかもものすごい量が残っていることと、大変な難問になっています。山形県でも一定量は受け入れて埋立したが、漁具の形のまま受け入れるのは、処分場の今後を考えるとなかなか難しく、国の主導でもっと埋めやすくしてもらわなければ困る、ということでした。放射能問題も重大ですが、担当者の方の話で最もショックだったのは、山形県には、もともと、埼玉や千葉など関東から何万トンという一般廃棄物が来ているんだそうです。震災後、そうした関東の焼却灰のほうが、震災瓦礫よりよっぽど放射線量が高かったということでした。県として基準を持っているので当然値の高いものは受け入れていませんが、神奈川のどこかの自治体もお願いしているそうです。それでいいのか、という思いにとらわれてしまいました。

山形県のリフォーム助成は今年で2年目で、市町村の上乗せももらえるので、とても助成額が大きいことで有名です。全国で500を超える自治体がリフォーム助成を始めていますが、この制度が広がった最大の動機は、経済対策、市内でお金の循環を作その地域の中小企業の経営を支援することです。そのために山形県では、耐震化、エコ化、バリアフリー化、県産材の活用などの目的を組み合わせて、ほとんどあらゆるリフォームに対し、県内に本社のある事業所にお願いすれば補助できるようにしています。川崎では耐震対策が急がれていますが、国の補助制度しかなく、それがとても条件が厳しくてちっとも進みません。しかし市独自の制度を作ることにずっと抵抗しています。川崎が固執している国との制度との違いを聞くと「耐震化もとにかく命だけは助かってほしいというおもいで、条件の厳しい国の制度に頼らず市独自でやっている」と担当者は胸を張りました。自治体がその気になればやれるんだ、とつくづく思いました。

丘陵地の滑動崩落のものすごさ

IMGP1487 仙台の水道の復旧については、日を改めて書きます。この視察でもっとも学ばなければならないと思ったのが、丘陵地の谷埋め盛り土の滑動崩落でした。昭和30年代から50年代に次々に行われた丘陵地の宅地造成。山を削ってその土を谷にごっそり埋め、平らにする。その盛り土が地震で盛り土ごとずるっと滑って地盤ごと崩れてしまう。私は質問でも何度も取り上げて対策を求めてきました。しかしその現場を見たことはもちろんなく、「盛り土が全部崩れるとどうなるんだろう」と思っていました。

その現場は、津波で何もなくなった石巻や陸前高田と同じでした。「ここには全部立派な家があったんですよ」という高台の宅地は、すでに家などなく草ぼうぼうで、ブロックが崩れ、道路がゆがんでいました。かろうじて崩れなかった家も空き家になっていたり、なんとか住める人は、庭にブルーシートを張って地割れしたところに雨が入らないようにしたりしながら、人けのない地域にひっそりと暮らしています。太白区緑が丘4丁目というところでは、84世帯が、もう住むことができないと集団移転をすることを決めたそうです。まさに海の津波、山の滑動崩落だったのです。

IMGP1465 その町並みは多摩区の南生田や西生田などでよく見かける、普通の住宅街でした。そこが古い盛り土なら、この危険性が実際にあるのです。質問でも取り上げたように阪神大震災以来、対策の必要性が言われてきましたが、予防はまったくすすんでいません。仙台でも手を打つこともないまま震災があり、なんと5000軒が住み続けられないような被害にあったのです。まさに他人ごとではない、と思いました。被災者の多くは、仮設住宅に入り、あと数年かかる地盤改良の工事を待って、自宅を再建するのだそうです。高齢化してもうとても自宅を再建できない人もいて、復興住宅への入居を希望している人もいるとのことでした。

川崎でどうすればいいのか、といえば、根本対策は地盤の改良です。しかしこれは莫大なお金がかかります。どんなにお金がかかろうと、国民の命を守るために国が改良べきだと思っています。しかしその議論はまだ先になるでしょう。当面、仙台で明らかになった滑動崩落を起こす危険のある地域の共通点、昭和30年代に造成した軟弱な谷埋め盛り土で、地下水が浅いところにあると分かった地域については、そういう危険があるということを住民に知らせ、家がダメになっても暮らせる対策をとることではないか、と現地を見てつくづく思いました。

政令指定都市の災害復興対策を聞いたのは初めてだったので、滑動崩落問題以外にも勉強になることがたくさんありました。これからの質問に大いに生かせると思います。関東にも必ず起こる震災であわてることのないように、一つ一つ対策を打っていくことがどうしても必要だと改めて思いました。