はつらつレポート

コンビナートの防災対策はできるのか

2012年10月28日

konbinato 共産党川崎市会議員団で、早稲田大学の濱田政則先生に、大地震が起きたときの川崎臨海部コンビナートの液状化や長周期地震動による被害について研究をしていただきました。報告書の内容を濱田先生からお聞きする報告会を開催しました。

詳しい内容は議員団のホームページにゆずり、感想を述べようと思いますが、これまで、ただ「コンビナートは危ない」と思っていましたが、その内容をちゃんと科学的に明らかにしていただき、その対策も提案されて、ただ怖がるだけでなく、きちんと求めるべきことを求めていくことが必要だと強く思いました。

ものすごく詳細な研究でした。川崎臨海部の埋め立て地、それぞれの島の護岸がどうなっているか、ボーリング調査はあるのか、原油などのタンクの大きさや高さなど、入手しうる限りの資料を手に入れて、そこから、どのくらいの地震でどういうことがおきるのかを予測します。しかし、まずぶつかった壁は、行政も企業も資料を出さない。埋立地の護岸が、どういう工法で作られているかと言うのもわからないところがある。タンクの大きさも容量も各企業が教えないので、濱田先生は航空写真で大きさを測ったのだそうです。この手に入った資料で計算すると、国が予測する東京湾北部地震では、扇島は水平方向に最大9・6メートル移動する(側方流動)ことが明らかになりました。タンクの下の地面がタンクの直径の1%以上水平にずれてしまう可能性のあるタンクが38基。タンクが倒れたりしないとしても長周期地震動でスロッシングして、タンクからあふれる油の量が17000キロリットル、などなど、予測される数字は、資料の少なさから完全ではないと言いながら、これだけでも十分おそろしい話です。

しかもこの報告には津波の被害が入っていません。津波の予測は県によってまったく違うというのです。法律で津波の対策は県知事にまかされたことから、神奈川は慶長型地震を想定して、臨海部に5メートルなどの予測を出していますが、東京と千葉は元禄型安政地震を想定していて、東京が予測する最大の津波は2メートル、千葉ではほとんど被害がないなどという予測をしている中で、どんな津波を想定すればいいのかということ自体が議論の対象なので、少し時間が必要ではないかというお話でした。しかし東日本大震災のような津波がくれば、すべてのタンクが流出しそこに火がついたら、どんな対策も意味がない、すさまじいことになるのは明らかだと、濱田先生はため息とともに言われました。

ではどうすればいいのか。液状化や地盤の側方流動に対しては、最も効果があり費用も抑えられる工法が、濱田先生たちの研究ですでに開発されているということです。これは川崎市にも提案できますが、濱田先生が繰り返し強調されたのは、「こうした対策は川崎だけでなく多くの臨海部で行わなければならず、莫大な費用がかかる。それは自治体ではたいへんであり、国が全額だして行うべきだ。国にはそれだけの資金はある」「東京湾は一体に行わなければ意味がない。そのためには国がコンビナートの各企業や学者を巻き込んで、協議会を作り、推進するべきだ」と、ああそうだなあ、と思える提案をされました。これはずっと前から濱田先生が国に行ってきたそうで、その方向での動きがあることも報告され、なんとしてもそうした実効性のある対策を実現してほしいと思いました。それは国の施策です。そう!国会議員に頑張ってもらわなければ。