井口まみ
井口まみ井口まみ

18年目の1月17日です

18年前のこの日の朝、夜が明ける前に神戸市北区でひとり暮らしをしている夫の母親から電話がありました。「地震があって停電してしまった。何が起こったのかニュースを見て教えて」。それっきり電話がつながらなくなりました。夜が明けてから一日中、テレビ局のヘリコプターが、燃える神戸の街を映し出します。仕事も手につきませんでした。母と連絡が取れたのはその日の夜7時でした。なぜ覚えているのか。7時のニュースで、銀色の公衆電話なら災害優先電話なので神戸市内とつながると報道したからです。夫は銀色の公衆電話を探して、寒い街の中を走りました。

東日本大震災で津波の映像を見ていても、そこにいる人の命も本当に心配でしたが、家族の安否を思う人たちの様子に、あの時の気持ちを思い出して、足が震えます。私たちはこの18年間、本当に学んで努力してきたのか。のど元過ぎて熱さを忘れていないか。わずか2年前のことも忘れていないか。改めて考える日ではないでしょうか。

あんな思いをするのはもうごめんです。災害を避けることはできませんが、被害を減らすことができるのです。無駄な公共事業にお金を使うのではなく、家や地盤の耐震化などにしっかりお金をつぎ込んで、一人でも命を救う政治にしたいと思います。