井口まみ
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強引なマンション建設に思うーーもうかりさえすればいいのか

多摩区西生田1丁目、小田急線の「よみうりランド前駅」北口をでてすぐのところに、地下1階地上3階のマンション建設の話が持ち上がってから2年になります。北側の住宅に、冬1分も日が差さなくなる、目の前にゲリラ豪雨の時にあふれそうになった川があるのに、地下1階に居室をつくり、もしあふれたら水没する、予定されている都市計画道路ができたら建物の一部を壊さなければいけないなど、ちょっと信じられないような設計で、住民の皆さんがねばりづよい反対運動をしています。今日もその「西生田1丁目の住環境を守る会」の世話人会に参加してきました。

まだどの問題も決着がついていないのに、先日新聞に販売広告が入りました。「プレシス読売ランド」というマンション名です。モデルルームも今月中に開設するそうです。いま、住民と事業者で話し合いが重ねられていて、つい2か月前の話し合いでも「実は工期が2か月延びます」なんてことが起こっています。住民は川崎市建築審査会に、「この設計には瑕疵がある」と申し立てを行っていて、事業者はやばいと思ったところを2度も直しているのでちっとも審査が進まず、もしかしたらこの審査会の結果によっては設計変更があるかもしれない。そういうときに販売を始めるなんて、どんな約束で売るのでしょうか。

だいたい、市議会でまちづくり局長に「コンプライアンスという点で、この事業者は大丈夫か」といわれているところで、ほかの市会議員からも「この建物は憲法違反だ」とまで指摘されてきました。しかし住民の意見はほとんど聞かずに、強引に販売を始めるというのは、結局、買う人、これからここに住む人のことを本当に思っていないんだな、と思います。ゲリラ豪雨で水没するかもしれないということを、全く否定せず、ただ「市が認めている。合法だ」と言って突き進む。とにかく早く売り切りたい。これが住宅を作り、売る会社のすがたでいいのか、とほんとうに思います。