井口まみ
井口まみ井口まみ

東京港を視察しました

青海埠頭コンテナがこんなにあります。川崎港では見たことのない風景です。

川崎港にもコンテナターミナルがあります。ガントリークレーンが2基。15年前、このガントリークレーンだけでも1基16億円かけて作りました。しかしコンテナが来ません。いつもがらがらです。なのに、東京港、横浜港と連携して莫大な設備投資をして、コンテナを呼び込み世界有数の扱い量にしたいといって、さらにガントリークレーンを10億円で作ります。

大井ふ頭東京港と横浜港は日本で1位2位をあらそう大きな港です。実際にその役割、目指すものを聞いて、川崎港の役割とはどうあるべきか考えようという視察でした。都の港湾局の職員の方から丁寧な説明を受けました。東京港では、リーマンショックから立ち直ってから、過去最高のコンテナ取扱量が続き、そのために深刻な渋滞も起こっているとのこと。川崎港に回してもらってもいいんじゃないかと思ってしまいますが、荷主が東京港がいいといってくるのであるから、断ることはないというのです。東京港に来る貨物は首都圏で消費するためのものが圧倒的なのだそうです。つまり、輸入したものを国内で売るのにここに持ってくるのが一番安くて早い、と荷主が判断しているということです。

なので、東京都ではより使いやすい港にするために、さらに新しい岸壁を現在も作っています。その費用は国と都が持ち出しますが、実際に港ができると、そこからは都にはほとんど収入は上がってきません。ものすごい優遇措置をしているようです。まあ、だから荷物は安く動かせるということなのでしょう。

こうした経済原理で動いているコンテナを、ただ望めば川崎に来るというものではありません。たいへんな投資と優遇措置が必要です。そしてそれが川崎市民にとって必要なのか。自治体がやるべきことなのか。川崎港の役割は、川崎の経済の活性化に資することであって、東京港や横浜港にくっついて世界経済の渦の中に市民を放り込むことではない、と、この莫大なコンテナの山を見ながら思いました。