井口まみ
井口まみ井口まみ

前進座の歌舞伎を観ました

忠臣蔵共産党の後援会が国立劇場の前進座の公演を貸し切りました。神奈川、千葉、山梨の後援会の共催です。演目は、「元禄忠臣蔵」「一本刀土俵入」。どちらも前進座の伝統ある演目です。最後のカーテンコールでは志位和夫委員長が花道から登場して、藤川矢之輔さんに花束を渡し、矢之輔さんが「志をしっかりもってがんばりましょう」とエールを送るというサプライズもありました。この写真は志位さんのツイッターから!志位花束前進座

歌舞伎とか文楽とか、伝統芸能を理解してみたい、堪能してみたいと思いますが、実際にさわってみると、よくわからないことが多いです。言葉がわからないだけでなく、「知ってて当然」みたいな決まりごとが多すぎて、それがわからないと何が行われているのか全く理解できないのです。しかし前進座の歌舞伎は何も知識がなくてもおよそのことはわかるのです。もともと庶民の娯楽だったのだから、そんなに難しいはずがない、というのが前進座のスタンス。とりあえずパンフレットを読んでおけば十分楽しめます。

国立劇場私はとにかく歌舞伎の豪華絢爛な衣装と、河原崎國太郎さんの柳のような物腰にあこがれるのです。國太郎さんは、あんまり背の高い人ではありません。しかし、ちょっと世の中を斜めに見ている、すねた役や、悪女の役をやると、それはそれはすらっとした、きれ~な女の人になるのです。御姫様の役でも、重い衣装を軽々と操って、動き回ります。その物腰のきれ~なこと。ああいうしぐさのできる人間になりたいなあ、と見とれるのです。私もがんばって着物を着ていくのですが、雲泥の差だなあ、と落ち込みます。

しかし歌舞伎を見に来るたびに、本当に毎回思うのは、お金と時間の余裕がないと、見たくたって見られないということです。入場料が高すぎます。ちょっと有名な役者の舞台も5000円とか6000円とか。庶民の芸能である落語も大きいホールでやる独演会になると3000円4000円の世界です。しかし、役者さんたちの生活はほんの一部を除いて、ワーキングプアとどっこいどっこい。文化で飯が食えない国は、本当の意味で豊かとはいえない、とヨーロッパを見ていて思います。ヨーロッパの各国の国としての支援の多さは、桁違い。こういうところでも政治が透けて見えます。