井口まみ
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日本母親大会に参加しました

IMG_0939[1]日本母親大会に参加しました。今年で59回。私が生まれる前から「生命を生みだす母親は生命を育て、生命を守ることをのぞみます」というスローガンで、日本中の女性の手でこの8月の暑いさなかに開催されてきました。私も独身の頃から、このスローガンに惹かれてできるだけ参加してきました。全国を回っていますが今年は東京です。

今回は年金問題の分科会に出ました。そもそも年金の仕組みが難しくて、相談を受けても答えられないことが多いのです。講師の社会保険労務士の長谷川陽子さんが、いまの制度の問題点のポイントをわかりやすく説明してくれました。

今年度から3年かけて、いまもらっている年金を2・5%下げる、血も涙もない削減が、全く納得できない理屈で行われようとしています。高齢者にはそういう仕打ちをし、いっぽう現役背世代は、いま、滞納対策がとても厳しく、今年度から、若い人が滞納すると、住民票で調べて、親に督促状を出すのだそうです。「次は差し押さえです」という内容で。払いたくても仕事がなくて払えないのに。そういうときには、とにかくまず減免申請をして、差し押さえを回避することが肝心だということを教えていただきました。

母親大会の特徴は、参加者が主人公だということです。発言の時間がたっぷりあって、次々と手が上がります。「夫が病院の医療費がかかり、わずかな年金でどうやって暮らしていけばいいのか」「戦争をくぐりぬけてきた私たちをなぜ大事にしない」という涙ながらの発言が続きます。ぜったいに削減を許さない!暮らせる年金を!それまであきらめないぞ!という決意にみなぎる発言であふれました。

その中で、一つだけ気になったことがあります。発言でも「夫が亡くなって自分一人の年金になったら、いっきに困窮になった。恥ずかしいが月10万では暮らせない」「恥ずかしいが、フリーターの息子の掛け金の滞納で差し押さえの通知がきた」など、皆さんが自分のふところを打ち明けるのを、とても恥ずかしがっておられることです。自分よりも低い人もいるし、家計のことを言うのも嫌だという人が多いというのは、地元で相談を受けていても、よく思うことです。

講師の話では、月20万という人はほとんどおらず、年金だけでは暮らせない人が圧倒的とのこと。そうなら、恥ずかしがることはない。みんなで「これでは暮らせない」と胸をはって声をあげよう!とつくづく思いました。お金がないということは、ほんとうに生きる気力を奪います。社会福祉の充実は国の責任です。

解決の方法はすでに提案されています。公的に最低保障年金を作らせることです。そのために、このひどい実態を、いまは年金のことをよくわからない人たちに伝え、世論を作ることが大事だと思った分科会でした。