井口まみ
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川崎市長選挙の結果に思うこと

あっという間に11月です。市長選挙が終わって1週間もたってしまいました。このホームページを見直したら、市長選の間は一度も投稿していませんでした。広く市民の皆さんに思いを語ってこなかったのだと強く反省してます。

福田紀彦氏が新しい市長になりました。自民、公明、民主の3党が推薦した秀島氏は、3000票弱の差で敗れました。7月の参院選ではこの3党で35万票もあったのに、14万票しか取れなかったのです。投票率は32・8%。有権者の3人に一人しか選挙に行きませんでした。市民の皆さんはどんな思いを持っていたのでしょうか。

投票日の2日後の火曜日、神奈川新聞が1面で「戦術 市民対官僚 声高に」という福田氏の選挙の様子を描いた記事を載せました。とても興味深いものでした。神奈川新聞はこう書いています。

市長選挙が告示されて以来、福田の取った戦術は終始一貫していた。…通行人に向かって同じショートフレーズを連呼。(中略)松沢(成文参院議員)がこう話した。「今回の選挙は『市民』対『官僚』『政党』。この構図がわかりやすく、戦いやすいと思った。30秒で通り過ぎる駅利用者に細かい政策を言っても聞いてもらえない。メッセージ性がないと今の選挙には勝てない」。

福田氏は当初この作戦には乗り気ではなく、普通に政策論争を挑むつもりだった、と書かれています。市長選挙で、相手に「官僚」とか「政党」とかのレッテルを張り、政策を述べない。それで市長になっても、選挙で市長を選ぶ意義があるのかが、問われているのではないでしょうか。

阿部市長の後継者として立候補した秀島氏が落選したことは、まさに阿部市政がこれ以上続いては困るという市民の判断があったのです。私たちが12年間言い続けてきたこと、阿部市政を変えないと、市民生活が守れない。この市民の意思がはっきり示されたのです。争点は、ではどういう市政に変えるべきなのか、だったはずです。それを「官僚」とか「政党」とかをやめればいいという単純な構図にすり替えたのが、福田氏でした。

私たちが推薦した君嶋ちか子さんの政策は、どこに行っても本当に歓迎されました。宣伝カーでしゃべっていても、「子どもの医療費をほんとうに無料にしてください」「生田浄水場を残してください」と次々と声をかけられました。その思いが、投票率はこんなに低かったのに、政党では日本共産党しか応援しなかった君嶋さんに多摩区でも25%近い支持へと結実しています。政策ではだれよりも市民の願いに答えていたと確信しています。私たちは、市長が変わってもこの市民の願いを実現することに引き続き全力を挙げていかなければならないと改めて思っています。

福田市長はマスコミのインタビューに答えるたびに、当初掲げていた市民の願いに沿った公約がだんだん後ろに下がってきています。子どもたちの医療費の無料化は「6年生まで」と言っていたものが「むずかしい」という表現になっています。中学校給食も自信たっぷりのはずでしたが……。12月議会がすぐはじまります。今こそ日本共産党の出番だと、みんなで準備を始めています。そして市民の世論が何より大事だと思っています。阿部市政を変えたかったのだというその思いを持ち続け、言い続けることが本当の意味で市政を変える力だと思っています。