井口まみ
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宮ケ瀬ダムを視察しました

市議会環境委員会は上下水道局を所管しているので、委員会視察で、厚木市の相模大堰と、神奈川県の北部、清川村と愛川町と相模原市の境にある宮ケ瀬ダムに行ってきました。

川崎市民の飲み水はどこから来るか。生田浄水場存続運動を始めるまで、考えたこともありませんでした。なんとなく多摩川の水かなあ。でもきれいじゃないよなあ、なんて漠然と考えていました。まさか、最大の水源が相模湖で32キロも離れていること、多摩区は菅の井戸から地下水をくみ上げていること、そして、莫大なお金を払って小田原からの水を買っているなんて、全然知りませんでした。

この仕組みを知って、相模大堰と宮ケ瀬ダムを見るとあれこれわかってきます。

IMG_1516[1]相模大堰というのは、神奈川県のど真ん中を流れる相模川の中流につくられた堰で、神奈川県内広域水道企業団の施設です。ここからとった水はおもに、横浜市の南部や横須賀市に行きます。川崎市には、ほとんど来ません。かつて、もう高度成長が終わり、水があまり始めたころ、第2大堰をつくる計画が持ち上がり、住民運動で中止させた経過があります。

IMG_1519[1]宮ケ瀬ダムは、国交省が直接管理している多目的ダムですが、飲料水としては神奈川県内広域水道企業団の水源として使われているので、企業団が多額の借金をして建設しました。こちらも川崎市に来る水とは系統が違います。だから、この視察は、川崎市の水源を見に来たのではなく、川崎市も構成団体になっている企業団の施設を見に来たというわけですね。

宮ケ瀬ダムの職員の方の説明は本当に興味深いものでした。人間の発想、そしてそこから生まれた技術というのは本当にすごい!コンクリのかたまりを高さ156メートルも積み上げる。この高さは日本でトップテンに入り、コンクリートの量は日本一。作り上げる技術もすごいし、、巨大な水圧に耐えてそれを維持する技術もまたすごい。いろんな装置が駆使されています。

ダムマニアという人たちが増えているそうで、「ダムカード」という、ダムに行かないともらえないカードを集めている人たちが急増中だとか。沖縄などのカードはかなりのプレミアがついているそうです。それぞれのダムに駆使されている技術を知るのもおもしろいだろうなあ、と思います。この宮ケ瀬ダムも、見て聴いてみれば面白いところだと思いました。また、クリスマスまでイルミネーションが始まっており、この観光地としての宮ケ瀬もかなり有名になっています。

でも私はやっぱり、このダムの借金が、いまの川崎の水の未来を左右しているということに言及しないわけにはいきません。お金を湯水のようにつぎ込めば立派なものはいくらでも作ることはできます。新しい技術も使うことができます。しかしそれによって、いま、川崎市は唯一の市内の自己水源の存在が危うくなっている。もう水はほんとにいらなくなっているときに、こんな巨大なダムをつくってしまったことによって、住民の負担はとても大きくなっているのです。

そういうことをしっかり目に焼き付けてくるという点では、川崎から見学に行くのもいいかもしれません。