井口まみ
井口まみ井口まみ

12月議会の代表質問で新市長が初答弁しましたが…

12月議会が開かれています。2日間にわたって各党の代表質問。日本共産党川崎市議団は、石川建二副団長が行いましたが、原稿は10名の力を合わせて作り、2時間14分すべてを使って新市長の姿勢をただしました。詳しい内容は議員団のホームページを見ていただくとして( http://www.jcp-kawasaki.gr.jp/ )、私の感想を書いておこうと思います。

今議会は福田紀彦市長が当選して最初の議会。どの党も質問は市長に集中し、答弁のほとんどを市長がしている感じでした。前市長があれほど「やらない」とがんばっていた中学校給食を、一転して「28年度には全校で導入する」と明言し、「市長が変われば市政は、あっという間に180度かえることができる」ということを実感しました。が、ほかの問題では、ほとんど前の市長と同じで、自分の公約もどんどん後退していくのです。

学童保育は、前市長が全廃してしまい、民間の自主学童が細々と高い保育料で頑張っていますが、福田市長は選挙中には「自主学童保育に…少しでも補助したい」と言っていました。しかし石川議員の代表質問への答弁は、前の市長と同じように下水道使用料の減免とか、不審者情報を提供している、と今やっていることを、前市長と同じ文言であげ連ねたうえで、「わくわくプラザ事業との整合性を踏まえたうえで支援のありかたを検討したい」というものでした。わくわくプラザとの整合性とはどういうことか。今のわくわくプラザを前提にするということは、市直営の学童保育をなくし、自主学童保育の補助金を全面カットして、「学童保育はわくわくプラザに内包している」と強弁してきた前市長の方針を是認したうえで、どうするか、ということにほかなりません。

小児医療費の無料化も、あらっという感じです。「小学校6年生まで無料にする」「すぐに議会に提案する」と言っていたのに、この日の答弁は公約になかった新たなハードルを作り「財源確保が課題」といって、「行革の取り組み状況を見据えて検討する」。つまり、職員が減らせたら考える、というところまで後退してしまいました。これも前市長と同じです。

長い答弁のほとんどは、前市長の時と同じようなもので、へたをすると前市長と一言一句同じところもあります。つまりあれほど「官僚市長」を批判しておきながら、職員の書いた答弁をそのまま読んでいるということがありありでした。

面白かったのは、東京新聞の記事です。「特定秘密保護法への見解をただされた市長は『国および国民の安全の確保を図ろうとするもの』と、法成立を強行した自民党の同法Q&Aとほぼ同じ文言で答弁。」と書いたのです。もちろんこれは石川議員の「特定秘密保護法に反対すべき」という質問への答弁でした。記事の見出しも「発言 止まらぬ『ぶれ』 自民Q&Aほぼ同じ」というしんらつなものでした。

確かに最初から具体的な施策を打ち出せない問題もあることでしょう。しかし、財源さえしっかりとおさえていれば「これをやりたい」と言うことは十分できるのです。それが市長です。結局大して変わらないんだ、というのが率直な感想であり、君嶋ちか子さんの政策を今こそ押し出して市民の皆さんと求めていきたいと思いました。