井口まみ
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耐震補強の先進地、静岡に視察に行きました

川崎市では、必ず来るといわれている大地震に備えるため、古い木造住宅の耐震補強をするための補助制度を作っています。ところがとても使いにくい制度で、3年間で140件しか利用していません。いっぽう、静岡県が7年前に全国で最初にこの制度を作ってから、県都静岡市だけですでに2300軒が補強しています。どこにちがいがあるのか、それを自分たちの目で確かめようと、静岡に日帰りで行ってきました。

阪神淡路大震災出なくなった人の84%は、家が倒壊したり、家具の下敷きになって圧死した人といわれています。地震の発生する時間にも寄りますが、家と部屋を安全にしておけば、命が助かる。そして、家が倒れなければ、避難所に行かずにすみますから、その後の生活や町の復興にとって大きな違いが出るのです。それは日本中の関係者が知っています。だからこそ、木造住宅の耐震化は最重要でもっとも緊急課題です。静岡市では、そういう意識はすっかり浸透しているものの、すぐ対応できる人が補強し終わったあと、「いくら補助があっても個人負担ができない」「うちはつぶれても仕方ない」という人たちをどうするか、が課題だとして、高齢者世帯への補助を手厚くする事と同時に、補強することが以下に大事かという広報活動を熱心に行っていました。

市の担当者が作ったスライドを見せていただきましたが、市民を守ろうという思いがあふれていました。阪神大震災で起こったことをCGで再現した映像はそれはリアルで、これは手を打たなければ我が家も危ない、という思いを起こさせるには十分でした。

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写真は「紙ぶるる」といって、簡単に組み立てられる紙の家の模型で、筋交いがはいっていれば、どんなに家が倒れないかということを実感できるものです。うちに帰ってきて早速やってみました。

川崎では、木造のアパートは補助しない、ちょっと増築しているとだめなど、危ない家は誰でもいいという姿勢ではありません。そんな制限は静岡ではやっていません。そこにも市民を危険から守るという点での差が現れています。

いつも視察に行くと思うのです。施策の違いはどこから生まれるか。要は市の市民を思う気持ちの差ではないかと。市民のことを第一に考える姿勢に切り替えたいものです。