井口まみ
井口まみ井口まみ

視覚障害者福祉協会多摩支部の総会で

川崎市視覚障害者福祉協会(視障協)多摩支部の総会に呼ばれました。そうですね、4月は各団体の総会の時期。選挙のさなかではありますが、当選以来毎年呼んでいただいていて、こういう時にたくさんの要望をうかがうことができるので、何はさておき、参加しています。

会長さんのあいさつで、視覚障害者に選挙情報をしっかり伝えてほしいという要望が出されました。選挙公報は、川崎市は録音したものがあるだけ。この選挙から、県議会選挙の公報は点字版がつくられ、この水曜日に各行政区に数部配られるということで、県議会への陳情が実ったのだと報告がありました。これは大きな前進だが、投票日直前だし、ほしい人全員にくれるわけでもなく、健常者との差が大きいと言われました。共産党も川崎市への要望に出していますが、この選挙に間に合わなかったことはとても残念でした。

この県議会での顛末を自民党の県会議員さんが報告しました。県の視覚障害者団体からの陳情をもらい、常任委員会で議論してきたが、何せ予算が必要なのですぐには結論が出なかった。この3月の予算案につくことが分かったので、全会派一致で陳情を「了承する」ということになったというのです。そんなに大きなお金がかかるのかと思ったら、なんと、1500万円。部数も少ないのも「予算がかかるからね」。600億円近い貯めこみがある神奈川県で、この程度の予算にも議会としてものを言わないのかと、共産党のいない議会のありように驚きました。

もうひとつ、議員としての姿勢を考えさせられたのは、民主党と自民党の市会議員さんのあいさつでした。民主党の議員さんがこんなことを言いました(きちんと覚えていないのでこんな趣旨、ということですが)。「選挙になると、福祉をよくするという候補者が増えるが、予算が必要なのだから、何でもやりますというのを信用しないほうがいい」。自民党の議員さんも「予算が厳しいので、皆さんの要望をすぐに実現できないが、よくお話を聞いて実現できるようにしたい」。

確かに予算の当てもなく選挙目当てに何でもやると言うのはよくないですが、福祉の充実を予算がないから難しいというのは、そもそも前提がまちがっています。自治体の目的は「福祉の充実」なのです。お金がないからやらないというのは、自治体としての任務放棄に等しい。そして川崎市にはお金があるのだから、公的支援を必要としている障がい者の皆さんを前にして、我慢しろと言わんばかりの話は、まさに罪深いと思います。

私が先にあいさつを終わってしまっていたので、お金はあるから大丈夫だということが言えなくてほんとに残念でしたが、みなさん、そんな話にだまされずに、ごいっしょに皆さんの要望を実現していきましょう。