井口まみ
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鹿児島市に視察に来ました

IMG_6024[1]鹿児島に5年ぶりに20センチも雪がつもった翌日、視察に来ました。私たちが乗る飛行機の前の便は欠航。飛び立ったはいいけど、「福岡に行くか羽田に帰ります」というアナウンスにドキドキしていましたが、無事鹿児島空港につき、バスは遅れて間に合わないのでチェーンのついたタクシーでかけつけ、やっと市役所につきました。雪雲に覆われた桜島が間近に迫っていました。

今回の視察は、共産党の議員団の同僚と行くのですが、自分の所属する委員会の調査項目を選択する視察なので、まちづくり委員会と環境委員会の委員で構成し、鹿児島市の再開発事業と水道事業を勉強しました。

IMG_6028[1]鹿児島市は新幹線の開通に合わせて、新幹線駅の周辺を再開発事業で次々とビルを作っています。そのうち、最近できた商業ビルについて説明していただきました。いまは鹿児島中央駅といいますが、もともとは西鹿児島駅と言って、古くから商店街が形成され、地元の人たちでにぎわっていたところだそうです。それを近代的なビルにして人を呼び込もうとしましたが、思うように人が来ないという結果になっています。再開発事業はビルを作る何十億円というお金を、国や市の補助金と、新しくできた床を売って得る保留床の売却益で生み出すのですが、保留床が売れなければ地権者がかぶるしかありません。元のお店を出していた人たちの多くは借家人で、新しい店は家賃が1.4倍とか2倍とかになり、入ることができず、元あったお店で残ったのはたった1店舗だったなど、全国で起きている問題がここにもありました。結局人の流れは、地元の商店街に来てくれていた人たちだったことがわかり、その人たちが来てくれれば町が成り立つ、そういうリニューアルであればよかったのだということを感じました.。再開発はむずかしいと改めて思いました。

水道事業は、災害の多い鹿児島市でどういう災害対策をしているか、ということをうかがいました。河川の氾濫、台風銀座、桜島の噴火とあらゆる災害が頻繁に起こる地で、市民の飲み水を確保する姿勢がはっきりしていました。びっくりしたのは、周辺の5つのまちと合併した際、それぞれの地域でもっていた25もの小さな簡易水道事業をつぶすことなく、全部残して、それぞれの水源と浄水場を維持していることです。そのため水源は地下水や湧水、川からの取水など111もあります。これらの水をいざというときには融通しあってどこかの水源や配水管がこわれても、そこは遮断してほかのところから配れるようにする仕組みをつくっていました。

IMG_6036[1]2つしかない水源の一つをやめてしまい、1系統しかなくする川崎市とたいへんなちがいでした。私は「たくさんの水源や施設をなくして、スリム化してよその遠くのダムから水を持ってくるなどとは考えないのか」と聞きました。そしたら水道部長さんは「そんなコストがかかることをしたら水道料金が上がる。鹿児島市は今の水道料金で十分黒字であり、このままの体制で十分やっていける」と胸を張り、「地下水がおいしいんですよ」とペットボトルの水をおみやげにくださいました。

水源を複数確保して、自前の水源で市民に安くておいしい水を供給する。これならいざというときに市民に水を配ることができる。誰が聞いても当たり前のことを他都市に教えてもらわなければならない川崎市って何なんだ。つくづく思った視察でした。

IMG_6034[1]夕方には次の視察地、熊本に移動です。初めての九州新幹線ですが、けっこうトンネルが多いんですね。