井口まみ
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特別養護老人ホームの待機者は5000人 市長の姿勢で解決できる!—予算審査特別委員会質問その2

現在川崎市には約4200床の特養ホームが整備されていますが、これでは全く足りず、待機者は昨年10月末で5035人、そのうちすぐにも入りたいと希望している人は3662人に上ります。一刻も早くこの解決をと取り上げました。

あと500人分作れば計画通り?!

おととし、多摩区寺尾台にある県の官舎が廃止になり、神奈川県から川崎市に利用しないかと打診がありました。地元では「特養ホームにしてほしい」と署名運動も起こりましたが、結局川崎市がいらないと答えたため、民間の事業者に売却されてしまいました。この土地について「なぜ取得しなかったのか」とただすと、成田哲夫・健康福祉局長は「『第5期かわさきいきいき長寿プラン』という計画に基づいて整備してきたため、この時点ではもう整備目標達成の見通しがついており、多摩区には他区よりも多く整備していたので、希望しなかった」と答弁。現在執行している「第6期かわさきいきいき長寿プラン」では、あと500床整備すればよく、市の計画は市民の実態に全くあっていないにもかかわらず、その計画を進めさえすればよいと考えていることがわかりました。

市民の実態は猶予ならない

私は、どれだけ市民が困っているのか、多摩区の男性の実例をあげて、市民の実態を告発しました。そして「今すぐ入りたいと言っている3662人のすべての人がこうした切迫した事情を抱えているのです」と思わず声を張り上げてしまいました。

しかし健康福祉局長は「計画通り整備する」としか言わないため、「中学校給食や保育園待機児童解消のように市長が進めると決めればできるはず。市民の声を聴いてほしい」と市長に質問したのです。

施策で何を重視するのかを決めるのは市長

福田紀彦市長は「引き続き『川崎いきいき長寿プラン』に基づき着実に推進していく」「多くの高齢者が自宅で暮らしたいと望んでいるので、地域に密着したサービスやショートステイの整備も進める」と答弁しました。私は「本当に悲鳴を上げている市民が聞いたらどう思うか」と再度質問しましたが、市長は「先ほどの答弁と同じです」と繰り返しました。

あまりに冷たい答弁でした。特養ホームの建設に川崎市が負担すべき金額は平均で7~8億円です。私は「必要のない羽田連絡道路の整備に来年度だけで2億4千万円かける。国立医薬品職員研究所の用地は2012年度から3年間川崎市が毎年10億円ずつ出して取得し、無償で貸し付ける。どんな施策を重視するかを決めるのかは市長だ。市長が川崎の高齢者の実態に心を寄せるなら、問題は解決できる」と市長の姿勢を強く批判しました。