はつらつレポート

「小杉周辺など、川崎市の低炭素都市づくりー何が問題か」の学習会を開催しました。

2016年12月4日

2016-12-03 18.31.33川崎市の武蔵小杉といえば、超高層マンションが林立し、セレブな人たちがどんどん来ているまち、っていうイメージですかねぇ。荒野の真ん中に作るんならともかく、住宅街のど真ん中に200メートルとか160メートルという巨大な建物が現れたら、それはもう住環境破壊以外の何物でもありません。もともと住宅のための地域にそんな建物は建てられなかったのに、規制緩和でどんどんきまりがなくなっていく。川崎市はそんな規制緩和の一つに「低炭素」であれば建物を高くしてもいいという仕組みをつくりました。その欺瞞性を暴くために、私たち議員団は埼玉大学名誉教授の岩見良太郎先生に研究委託をしました。その研究結果が発表され、市民の皆さん向けに報告会を開催しました。

2016-12-03 18.33.11「低炭素都市づくり・都市の成長への誘導ガイドライン」というのが研究対象です。ひとことでいえば、「低炭素に貢献する建て方をすれば、容積を増やしてあげる」というものです。たとえば、いま160メートルのマンションを作っている真っ最中の小杉2丁目地区というところでは、もともとの容積率は267%でした。土地の面積に対して、建物の床面積の合計が2・7倍、ということです。なので、もともと建っていた社宅は5階建てでした。ところがここはまず、市民に開放する公開空地を設けるからと400%にしてやる。そして、この「ガイドライン」に従って太陽光発電などの施設をつけ、防災の配慮をし、おまつり広場などをつくると、、つまりこんなわけのわからない基準でさらに容積率が上乗せされ、600%まで大きくできるというのです。容積率を増やすということは、同じ敷地面積で、売却する部屋数を増やせるということですから、売り主にとっては丸儲けのわけで、岩見先生の計算では、これにより、同じ敷地面積で売り上げは342億円増える。容積率の割り増しはマンション業者にとって“打出の小槌”だというのです。

人口を集中させてCO2を減らすという理屈は、郊外にひとがいなくなり、中心部に“コンパクトシティ”ができることを前提にしています。しかし川崎市はまだ人口が増え続け、こんな大きな建物を建て、そこに人を呼び寄せるだけ、環境負荷が増えることを、岩見先生ははじき出しました。こんなに鉄筋を使いコンクリートを使い、高いところまでエレベーターを動かすものが、低い建物と比べてCO2を出さないわけがありません。「低炭素」というのはまやかしで、とにかく事業者のために容積率を上げてやるための理由づけをしたに過ぎない。ほんとうに低炭素だというなら、高層にしない場合と比較する作業を、市が行うべきだが、まったくやろうとしない。市はとにかく容積率を増やしてあげたいだけ、と喝破されました。

2016-12-03 18.34.36超高層マンションの足元になってしまった小杉の住民の皆さんは、すでに日影、風害、道路混雑などで被害を受けています。岩見先生が作られたシュミレーションは、そのひどさを浮かび上がらせました。こういう無法を許すわけにはいきません。これ以上の超高層建築物を、基準の緩和を積み重ねてとにかく作ってしまう、というやり方をストップさせなければ、と心から思いました。