井口まみ
井口まみ井口まみ

北海道視察2日目は、帯広市の学校給食センターです

DSC_0574札幌から3時間。帯広市に来ました。昼過ぎには次に移動なので、午前中だけの視察。ここまできてたった3時間、と思ったのですが、やはり視察というのは大事です。百聞は一見に如かずだと文字通り思いました。テーマは学校給食センターです。

IMG_9810[1]帯広市学校給食センターは、とても広い敷地の中で、帯広市の全小中学校、約14000食を一気に作っています。2年前に新たに作り直した真新しい施設です。作っているところを上から見ることができる見学スペースが設けてあり、ちょうどご飯炊きあがり、千人釜と呼ばれる大きな窯でみそ汁などが出来上がっていくところを見ました。衛生管理などは何重にも対策を施していることをうかがい、最新鋭の機器が導入されていました。中野島中学校でも思ったことですが、今の給食施設というのはこんなになっているのか、川崎の小学校の給食室もよくしてあげたいなあ、と思ったのでした。

IMG_9801[1]特筆すべきは地産地消です。帯広市を含む十勝管内は食料自給率が千%を超える!!!その食材をできるだけできるだけ給食に取り入れることに力を入れており、目標は食材の七割だとのことです。しかし昨年の北海道の水害でじゃがいもやトウモロコシに大きな被害がでて、やむなく輸入食材なども入ってしまったとか。廊下の展示には、地元の農家の方の写真や、自家製味噌を納めてくれるグループの様子などが張り出されていました。

IMG_9828[1]食育にも努力されていました。このセンターは小学校一年生がまず見学に来ます。大好きな給食が大切に安全に作られていることを見ただけでも、もっとおいしくなることでしょう。見学コースから見えないところはカメラが設置され、モニターで詳しく見ることができます。給食だよりは、その月のメニューやアレルギー物質のほかに、使われている地元の食材がかかれてます。さらに栄養教諭が学校に行き、給食の時間や総合の事業の中などで食育教育を行っていますが、五人しかおらず、なかなかいくつもの学校にけないので、市として「食育指導専門員」を二人配置し、学校を回って同じように食育を行っているというのです。アレルギー対応の除去食にも栄養士を配置していねいな対応をしていました。

IMG_9879[1]実際に今日の献立で試食させていただきました。北海道産のご飯に、いりこだしからとったみそ汁、きゅうりとキャベツの塩昆布あえ(生野菜を75度まで一気に蒸して一気に冷やす機械を導入して、こうしたあえ物もおいしくできるようになっている)に子どもたちの一番人気の肉じゃがです。この十勝名産のジャガイモ、収穫したあと2か月熟成させてから冷凍保存するため、ものすごく甘くて、おいしくて、小学校でも中学校でもハンバーグなど抑えて一番人気なのだそうです。昨年の水害でジャガイモが足りず、3か月ぶりに今日復活したとのことで、センター長さんは「久しぶりでうまくいかなかった」と言っておられましたが、これ以上おいしいのならどんなにおいしいんだろう。私たちもお替りしてぺろりと食べてしまいました。

川崎市もいよいよ九月から南部地域の全中学校でセンターからの給食が始まります。16,000食です。視察させていただいて、やっぱり給食室は各学校にあったほうがいいと、依然として思うけど、やむなくセンターで始めたとしても、こうしていろいろ工夫はできるのだということがわかります。しかし、川崎市は民間に委託するので、ここまで市が踏み込んだ運営ができないのではないかと懸念します。帯広市が食事を作ることと学校で学ぶことを一体に進められるのは、市の直営だからではないかと実感しました。センター長や副センター長さんも教育委員会の職員で、教育的観点から運営しているということがよくわかるのです。多摩区の中学校は北部給食センターから12月に始まりますが、見学コースもなく、市民から遠ざけられている感じがします。少なくともまず、モニターなどの設置で自分たちの食べるものがこんな風においしく作られているということを学べるようにするべきだ、と求めていこうと思うし、何といっても人を配置して、子どもたちの食育をもっともっと工夫すべきだと強く思いました。

さて、午後は伊達市に向かいます。4時間の移動です。