井口まみ
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農業と太陽光発電を両立させる「ソーラーシェアリング」を見てきました

IMG_0241[1]農地の上に太陽光パネルを設置する「ソーラーシェアリング」。そんなのがあったらいいなあと、漠然と思っていたのですが、実はもう何年も前から始まっていて、国や神奈川県がずいぶん推奨していることを最近知りました。

小田原でそのシンポジウムがあり、現地見学会だけ時間が取れたので、参加しました。

耕作放棄地に太陽光パネルを設置して、日陰を利用してシイタケなどを作る。お茶を植えているところもあるそうです。そういう作物ならすぐ想像できるのですが、今回はサツマイモと稲を見学しました。そんなのもできるんだ!

農産物に影響がないようにするのが前提なので、地表からパネルの下端までの高さは3メートル以上。作物ごとに、日陰になってもよい率が決まっていて、サツマイモは25%、稲は33%。その計算でパネルを間隔をあけて設置されています。農地に農業資材以外のものを立てるので、はしらが立つところだけ、農地ではないという転用の許可が必要です。生産緑地はダメです。収益もパネルのないところと比べ、3割以上落ちてはいけません。比べ方にはいろいろあるようですが。

IMG_0253[1]その上、設備をいちから作るので、屋根にのせるのと比べて、パネル以外の設置費用がかかります。この田んぼの場合、全部で1400万円かかりましたが、神奈川県の補助金が半分あり、あとはかの城南信用金庫の融資とのこと。いろんな面倒なことはあるけれど、どれもクリアして、ここにサツマイモと稲が植わっています。

マイクロバス2台に分乗したたくさんの参加者が、熱心に質問しています。まだ始まったばかりの技術で、コメの出来はどうなるのか、たくさんとれるのか、設備の耐久性は、などわからないこともあるといいますが、普及すればするほど、もっといい技術が出てくるでしょう。国や県の制度も改善してほしいことがたくさんある、という話も出されていました。

川崎市にも耕作放棄地はたくさんあります。市街化区域では、どんどん開発されていきます。市民とともに農業も続け、太陽光発電も行えたら、農業振興にとっても、温暖化対策にとっても、新しい取り組みになると思います。ぜひ市として支援すべきだと思います。自然エネルギー導入に全く熱心ではない川崎市。でも、熱心な人たちの姿をみて、川崎でも市民からどんどん声を上げることで市の姿勢も変えていけるのではないか、と思います。

IMG_0257[1]現地に行ったら、共産党の参議院比例のしいば寿幸さんがいました。ソーラーシェアリングの普及に何が必要か学びたいと来られたそうです。お互い、午後のシンポジウムには出られないのが残念だね、と帰ってきました。