井口まみ
井口まみ井口まみ

杉田水脈議員への抗議声明を出しました

川崎市議会の女性議員有志で、「杉田水脈自民党衆院議員のLGBT差別発言に抗議し、撤回を求める意見書」を発表しました。私もその一人として名を連ねました。

彼女の考えは、口にするのもおぞましい。誰もが人として生きる権利があるという感覚をちょっとでも持っていたら、こんな言葉が出るはずがない。日本にこういう政治家がいるとは情けない限りです。

この声明は日本共産党から提案したのですが、賛同したのは、無所属の二人の女性議員だけでした。共産党は女性議員が5人いますが、自民党は0、公明党は2人、みらい(前の「民進・みらい」)は2人。なぜ一緒にできなかったのかはよくわかりません。

声明文は以下の通り。記者クラブにはお渡ししました。


杉田水脈自民党衆院議員のLGBT差別発言に抗議し、撤回を求める意見書

杉田水脈衆院議員が「新潮45」(2018年8月号)に「『LGBT』支援の度が過ぎる」と題した論文を寄稿。性的指向および性自認等により困難を抱えている当事者に対して侮辱的・屈辱的な主張を展開しています。

杉田氏は、「LGBTのカップルのために税金を使うことに賛同を得られるものでしょうか。彼ら彼女らは子どもをつくらない、つまり『生産性』がないのです」と断定しています。

そもそも、子どもを持つかどうかで人の価値を測り、「生産性」という経済の尺度で線引きをするなど許されることではありません。

また、杉田氏は、「LGBTだからといって実際そんなに差別されているものでしょうか」と主張していますが、当事者や2017年10月の内閣府「人権擁護に関する世論調査」では49%の人が差別的言動をされると回答、様々な統計調査でも差別の実態が明らかにされています。

さらに、「LGBTは性的嗜好の話」と決めつけていますが、性的指向・性自認は本人の意思の問題ではなく、本人に選択できるものではないことはこの間の運動や研究で疑いのないものとなっている明白な真実であり、このような事実に反する主張を公然と行うことは許されないものです。

性的指向や障がいによって人は差別されてはならないことは先進民主主義国に共通する社会規範といってよいもので、LGBTへの差別や暴力の解消を国連が呼びかける中、日本も積極的な取り組みを求められているところです。そうした状況で、国会議員が逆に差別を助長するような主張を公然と展開するのは、主義・主張のレベルで済ませられるものではありません。杉田議員の主張は特定の少数者や弱者の人権を侵害するヘイトスピーチの類いであり、きわめて危険なものだといわなければなりません。

以上より、私たちは本件論文での当事者の権利を侵害するこれらの主張について強く抗議し、撤回を求めるものです。

2018年7月30日

川崎市議会議員

市古 映美

石田 和子

井口 真美

勝又 光江

大庭 裕子

渡辺あつ子

小田理恵子