井口まみ
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卒業アルバムを就学援助の支給対象に―市古てるみ議員の勇退を受けて

我が共産党川崎市議団の大黒柱、市古てるみ団長の最後の質問が終わりました。けっして声を荒げないのに、説得力ある話し方で市民の切実な願いの実現を迫る市古節がもう聞けないと思うと、それだけでもウルウルでしたが、取り上げたテーマも、わたしには思い入れのあるもので、ウルウルでした。就学援助の支給対象に、卒業アルバムを加えよ、という質問でした。

経済的に大変な世帯を支援する就学援助の支給項目のなかから卒業アルバムがなくなったのは、わたしが議員になって2年目の時でした。ちょうど自分の子どもが6年生で、アルバムをもらった直後に、翌年度から支給されなくなることがわかり、議会でその真新しいアルバムを議場で見せて、「やめるな」と追及しました。

あの頃は確か小学校で5000円だったと思います。アルバムは父母負担なので、払えなければもらえなくなるのです。私はもらえない子どもが出るなんて、どうしても許せなくて、「みんな笑顔で写っているのに、もらえない子がいてもいいのですか」と市長に食い下がりました。思わず涙声になっていました。

もう15年前のことです。でも今でも涙が出ます。ところが当時の市長はのちに「井口さんは演劇部でしたか。泣くのがうまい」と言いました。あまりにも悔しくて、二度と議場では泣くまいと決意したのでした。

それから15年。国が支給対象に卒業アルバムを加えたことを受けて、市古議員は「改めて加えるべき」と質しましたが、答弁は、驚くべきことに15年前と全く同じでした。やっぱり泣けた。

市古議員は「私が求めたことは、これからも同僚議員が求め続ける」と締めくくり、32年間の議員活動に別れを告げると、議場は拍手が起きました。

はい、求め続けます。