井口まみ
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熊本、北九州に視察に行きました

選挙続きでなかなか市外の視察に行くことができず、ようやく1月になって、念願の熊本市に視察に行きました。熊本市は水道水の100%を地下水でまかない、昨年、水道料金を値下げしました。いっぽう川崎市は地下水をやめてしまう。この違いは何なのか、この耳で聞いてこようというわけです。さらに、熊本市は画期的な景観条例もつくりました。これも参考にしたい!といさんで飛行機に乗りました。

1熊本、北九州に視察に行きました 地下水にしていることで、水の処理にはほとんどお金がかからない。水処理のための薬もいらないし、水をくみ上げるポンプの設置とメンテナンス、その電気代がかかるといえばかかる。何より力をいれているのは地下水の涵養で、阿蘇山のふもとの自治体と協力して、木を植え、田んぼを守っているそうです。「ダムを作れという話はなかったのですか」と聞くと、「まったく考えたことはありません」とのこと。国は広域でダムを作れとさんざんいってきたはずですが、まったく応じず、地下水だけでいこうと決めたのだそうです。そして、この地下水を守るために市民に節水意識を持ってもらいながら、大幅な黒字を利用して、昨年全世帯の27%に当たる、特にあまり水を使わない世帯を対象に水道料金を値下げしました。ダムを作って、その借金を返すために、これからもきゅうきゅうとしなければならないところとは大違いです。

まちづくりの点でも熊本は、熊本城や水前寺公園の歴史的な景観を守るために、条例を作り、熊本城より高い建物はつくらない、水前寺公園の向こうに無粋な高い建物はつくらないと決めました。なかなかよく考えられている条例です。

2熊本、北九州に視察に行きました 翌日は北九州市で、「身近な道路整備事業」などユニークなまちづくりの制度や、小児科の24時間救急体制をおこなっている市民病院などを視察しました。それはとても勉強になったのでいずれ報告したいと思いますが、一番印象に残ってしまったのは、熊本は熊本城より高い建物は建ててはいけないと決めたのに、北九州の市役所のすぐ横にそびえる小倉城の横にはこんな建物が…。市も出資してつくった劇場だそうです。建物の高さを制限するというのは、本当にいろんな意見があると思います。でも、それでも町並みを守ろうとするか、どんどん作ろうとするか、そのまちのあり方が問われていると思いました。川崎は?市民がどんなに高い建物をやめてほしいといっても、耳も貸さない。熊本のように市民と考えてみたっていいんじゃないか、と改めて思いました。