井口まみ
井口まみ井口まみ

障がい者専用のスポーツセンター建設を求める陳情が「採択」されました!

7月25日、川崎市議会文教委員会で、障がい者専用のスポーツ施設建設を求める陳情が、賛成多数で採択されるという、画期的なことが起こりました。

障がい者専用のスポーツセンターを作ってほしいという要望は、ずっと障がい者団体から出されていました。共産党も繰り返し取り上げていました。昨年、市議会健康福祉委員会は京都に行って、京都市の障がい者専用のスポーツセンターを視察し、各会派もその必要性を認めるようになりました。昨年6月には本会議で「障害者スポーツの更なる推進を求める決議」を全会一致であげ、そのなかで「他都市の障害者スポーツセンターも参考としながら本市に合ったスポーツ施設の環境整備」を求めました。

しかし、市は全く動きません。いっかんして、「今あるスポーツ施設を活用して、だれもがスポーツに親しめるようにする」というのが、市の態度です。これに対し、多摩区在住の方が昨年、個人で陳情を出しました。今年3月に審査しましたが、継続審査となり、3月末で審議未了廃案となりました。

ところがこの方が、4月に入り、同じ陳情をまた提出したのです。7月25日、文教委員会で審査がありました。結論から言うと、これが「採択」され、市議会の意思となり、市は実行しなければならなくなったのです。

なぜ「採択」という、無条件で市が実行しなければならない結論になったかというと、これは数の論理でした。2時間の審査の間、市は絶対に建物は作らないという立場で答弁を繰り返していました。共産党とみらいは「専用のスポーツセンターを作れ、陳情は採択すべき」という立場ですが、自民は「建物は難しい。趣旨採択なら」という立場、公明は「態度保留」(市議会では保留は「否」を意味する)でした。文教委員会は12名。自民4、みらい3、共産と公明が2、無所属が1です。この日、自民と無所属の議員が病気で欠席したのです。そして委員長が公明です。委員長は採択に参加できません。そうなると、自民3、公明1VSみらい3、共産2 の4対5で、「採択」が通ったのです。

2人休んでいなければ、委員長が公明でなければ通らなかった、奇跡のようなものでした。しかし、結果を覆すことはできません。しかも請願ではなかったので、本会議にかけられず、この委員会での採決が決定事項となりました。

市は議会の意思を尊重しなければなりません。あれほど、「建物はできない」と言っていた川崎市が、急転直下、検討をしなければならなくなりました。ひとりの陳情が事態を大きく動かした瞬間でした。あきらめずに取り組んでいればどこでどう転がるかわからない、市民の声の強さと、市議会の役割を実感しました。