井口まみ
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一般質問その2【介護も入院も市は助けてくれない】

2008,07,02, Wednesday

高齢者の問題を2つ取り上げました。ひとつは「介護援助手当」、もうひとつは月30万も40万もする入院の費用です。
介護援助手当というのは、5年前までは、寝たきりの高齢者を介護している家庭に対し、月1万円の補助をするという川崎市独自の制度でした。本来なら特養ホームに入るべきところ、数が足りないのでそれまでの間の家族のご苦労に報いるためにと始められたものです。最終年度の2005年には4000人以上の方が利用していました。
ところが阿部市長が「行財政改革プラン」でまったく違う制度にしてしまいました。住民税非課税世帯の寝たきりの高齢者で、一年間介護保険のサービスをまったく使わなかった人に限り年間10万円の補助をするというのです。寝たきりの高齢者を介護するのに、ヘルパーさんも、入浴サービスも、訪問看護もまったく使わないで、24時間すべて家族だけで見るなんていううちがどのくらいあると思います?今年はなんとたった2軒なのです。そしてついに、この制度の廃止がうちだされました。
私は「介護援助手当てを元に戻せ」と要求しました。特養ホームに申し込んでも入れない人が5000人近くいます。みんな家の中でたいへんな思いをしているはずです。実際川崎市が行った「高齢者実態調査」でもはっきりとしています。月一万円あれば、体を拭くなどの身体介護のヘルパーさんなら16時間増やすことができます。入浴サービスなら月7回分です。どんなに助かるか。健康福祉局長の答弁は「行革プランで決まっているので、見直します」でした。
入院の費用をどう工面しているのか。たいへんな社会問題ではないでしょうか。しかし、市にはその実態をつかむ部署すらありませんでした。実態を質問しましたが、市内にある療養病床は1190床。医療費と食費など固定的にかかるお金は月54000円程度、というところまではわかるが、あとは「自由契約なので、個人ごとに大きく異なります」という答弁でした。
しかし私たちは知っています。脳いっ血で倒れて入院しても,2週間もすれば「次の病院を探しましょう」といわれる。紹介される病院はどこも月30万とか40万で、とても払えない。泣く泣く息子さんや娘さんからお金をかき集めて、月々の支払いにおわれ、疲れ果てていく。こんな家庭が少なくないのです。私は「年金の範囲内ですむ病院にすぐ入る方法はないのか。難しいならせめて年金暮らしの人たちには月1万でも2万でも援助すべき」と質問しました。
答弁は驚くべきものでした。要するに「行革プランにないからできない」ということなのです。「ご苦労されている市民がいる」とか「何とかしたいと思う」とかという福祉の立場からのあったかい言葉は何一つありませんでした。健康福祉局長の頭のなかは、市民の生活や福祉のことよりも、行革プランを優先するということしかないのです。これが川崎の市政の実態だとまのあたりにしました。
1回の質問ですぐ実現しないのはほんとに悔しいことです。でも私のモットーは「あきらめない」。あきらめません。