はつらつレポート

なぜこんな建物を建てるのか。そこに人が住んでいるのに

2008年8月28日

2008,08,28, Thursday

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私はいま議員枠で、川崎市の都市計画審議会委員をしています。毎回、広い土地を住居地域にするのか、商業地域にするのか、緑地にするのか、審議して決定しています。今月は、中原区の武蔵小杉の駅前に、160メートルの高さのビルを建て、300戸をこえる分譲マンションが入るという計画を、地権者で組織する再開発組合で行うという議案を審議しました。写真は、そのために壊される予定のアパートです。
小杉には次々と100メートルをこえる超高層マンションができ、見違えるようになっています。しかし世の中は、すっかりマンション不況。もう売れないのではないかという予測が飛び交っています。なのにこれから、しかも、いまそこにアパートがあって、何十年も人が住んでいるのに、それを壊して、新しい建物を建てるというのです。もちろん、新しい建物ができれば借家人の人たちはそこに入る権利はあります。でも、家賃は大幅に上がる。それが負担できなければ、どこか別のところに行かなければなりません。近隣の人たちは、巨大な日陰や風害を心配しています。もしマンションが売れなければ、地権者の皆さんは莫大な借金を背負うこともおこりうるのです。
川崎市の担当者は、再開発をして新しい建物を建てることが、いい町をつくることだという概念から離れることができないようです。そこには人が住んでいるのに、普通の生活があるのに、それがまったく変えられてしまう。それを行政が推進していいのでしょうか。
おりしも、「景観と住環境を考える全国ネットワーク」という全国組織が開いた「なぜ日本で建築紛争が起こるのか」という学習会に参加しました。まわりの人たちが嫌がるような建物を無制限に建てて、紛争になるなんてヨーロッパの歴史ある街では考えられないんだそうです。日本中で次々と紛争が起きています。どうしたらいいかすがるような気持ちでこの全国組織を作りました。でもその運動のなかで少しずつ、「こんな建物はつくってはいけない」という規制が作られてきています。みんなで励ましあって、あきらめないで、いま住んでいる人たちが住んでよかったといえる町をつくるためにがんばろうと、都計審も言いたい事を言いました。