井口まみ
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12月議会一般質問2 -- 市民館の増設について

二つ目は、川崎市では市民館と呼んでいる公民館をもっと増やしてほしいという問題です。多摩区には市民館の本館が1館しかなく、21万人の人口でそれはひどい、生田地域に分館をつくってほしいと、もう何回とりあげたかわかりません。しかし川崎市は「新たにはつくらない」と繰り返すので、これは、意義からしっかり問い直して、だれが聞いても、これはやるべきではないか、と言われるような論戦をしようと、第1回目に着手しました。


次に人口に見あう市民館の配置について、教育長及び教育次長にうかがいます。

はじめに、本市の市民館の区ごとの配置はどうなっているのか、教育次長にうかがいます。市民館というのは法律上、どういう位置づけになっているのかもうかがいます。

【答弁 石井宏之・教育次長】市民館についての御質問でございますが、区ごとの状況につきましては、各区に1館の地区館を設置するとともに、川崎区には大師分館及び田島分館、幸区には日吉分館、高津区には橘分館、宮前区には菅生分館、麻生区には岡上分館、計6館の分館を設置しております。

なお、法律上の位置づけにつきましては、市民館は社会教育法第20条に定義する公民館でございまして、大型ホールを有する文化会館的な機能も兼ね備えた施設であることから、川崎市市民館条例に基づき、名称を市民館としているところでございます。

今の教育次長の答弁で、本市の市民館は社会教育法第20条に規定する公民館と、文化会館的な機能を併せ持つものだということでした。

その方針はいつ決まったのかうかがいます。また、1974年に川崎市社会教育委員会議が「川崎市社会教育施設の基本計画と新しい中間施設構想」という建議を市教育委員会に提出していますが、その内容についてうかがいます。同時に、その建議はその後どう生かされたのかうかがいます。

【答弁 石井宏之・教育次長】市民館についての御質問でございますが、昭和45年3月に社会教育委員の会議が取りまとめた「川崎市における市民館計画について」では、市民館の目的は、各区の社会教育の中核として市民生活の必要にこたえ、教育・文化・学術の普及および健康の増進につとめること、また、配置については、区に1館ずつの設置が必要であるとされたところでございます。

このような御意見を踏まえ、昭和47年3月に川崎市市民館条例を制定し、同年9月に多摩区に多摩市民館を開設して以降、順次、各区に地区館を整備してまいりました。

その後、昭和49年1月の「川崎市社会教育施設の基本計画と新しい中間施設構想」では、改めて、各区に市民館の設置を行うことや、日常生活圏である概ね中学校区に1館の公民館を設置することなどが盛り込まれたところでございます。

このような御意見も参考としながら、地区館設置完了後に分館整備を進め、現在では、地区館・分館あわせて13館体制としているところでございます。


45年前に、中学校区に1か所の公民館を作る構想があり、それを参考として分館整備が始まったとのことです。それが6館でとまっているわけです。

さて、教育長にうかがいます。本市では社会教育委員会議が活発に活動され、2年間かけてテーマを決めて研究を行い報告書を出されています。先日の会議はわたしも傍聴させていただきました。

2014・15年度の研究報告書は「地域をつなぐ拠点としての社会教育施設を求めて」というテーマで、市民館図書館のあり方について提言をされています。その中の「これからの市民館を考える」という項で、4つの提案をされています。それぞれについてのお考えをうかがいたいところですが、本日のテーマに絞り、「施設規模の見直しと市民活動のネットワーク 自治の拠点としての市民館」の提案について、教育委員会としてどのように受け止めたのか、うかがいます。

【答弁 小田島満 教育長】市民館についての御質問でございますが、平成28年3月にまとめられた研究報告では、市民館の対象人口規模に触れながら、現実的な対応として、現在の市民館がネットワーク拠点としての機能を果たしていくことなどが示されており、教育委員会では、社会教育施設のあり方を考える際のご示唆として受け止め、市民館での各種事業等への反映に努めております。

今後、確実に訪れる超高齢化、人口減少社会を見据えた時、共に支え合う地域づくりに向けて、人と人とのつながりが益々求められていることから、学び合いによって人がつながる生涯学習の充実は大変重要であると考えております。

このようなことから、地域に根差した市民館及び分館を軸としつつ、学校施設をはじめとする地域資源との更なる連携を図り、学びによるつながりの創出や、活力ある豊かな地域づくりの推進など、地域包括ケアシステムやこれからのコミュニティ施策とも連携しながら取り組んでまいります。

この社会教育委員会議の研究報告書では、こんにちの社会問題に対応する社会教育の必要性から、「市民館の対象人口規模を見直す議論を始めてみてはどうか。社会教育の目的や機能を考えたときに、適正な施設配置はどの程度の人口規模なのか、せめて分館の増設はできないかなど、検討の余地があるのではないか。」と提言されています。中学校区に1か所を実現すれば、例えば多摩区なら、いま、21万人に市民館1か所ですが、中学校が7校あるので3万人に1か所になる。まさに教育長のご答弁にあるように、人と人とのつながりを作ることができるようになります。公民館活動が盛んな都市は、どこも1万人2万人に1か所です。こうした人口に見合う公民館の配置の検討を急いで行う時期に来ているというのが教育委員会議の提言であり、そのことを強く申し上げ、次の質問に移ります。