井口まみ
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【一般質問その2】必要な信号機は撤去するな

sio「警察庁が信号機の合理化を進めていて、全国で撤去が進んでいる」という報道を、しんぶん「赤旗」で見ました。5月29日の衆議院内閣委員会で共産党の塩川鉄也議員が取り上げていました。これはたいへん!川崎市ではどうなっているのか、と一般質問で取り上げました。

これは警察庁が2015年に「信号機設置指針」を出して全国で信号機の合理化を求め、いっそうの推進を図るために昨年3月「信号機の設置の合理化等のさらなる推進について」という通達を出したことから起きています。警察庁は2019年度から5年間で信号機を総点検し、交通量が多いとか、近隣に福祉施設があるかなどの条件にあわず「設置の合理性について重点的に点検を行う必要性の高い、つまり撤去の可能性がある「重点点検信号機」を3割程度選定することを求め、信号機を、撤去が妥当である、平成35年度までに撤去等の可否を検討する、その他、に分類する計画を作ることを求めています。これにより、全国の警察本部が点検を行い、2019年末で「撤去が妥当」とされた信号機が2883機あると、塩川議員が調査されており、塩川議員のホームページには県別の数字が公表されていました。

信号機の設置は神奈川県公安員会の所管で県警が事務を行っているとのことなので、神奈川の調査の様子を川崎市の交通安全の担当部署から県警に聞いてもらい、議場で質問しました。答弁では、「現在も継続して点検を実施しているとのことであり、令和元年12月末時点において、重点点検信号機は選定作業中で、川崎市内ではこれまでに撤去が妥当と判断した信号機はない」ということでした。

塩川議員の質問では、通学路の信号まで撤去されそうになり、やめさせたという事例が紹介されており、神奈川でもいきなり撤去されるのではないかと危惧しました。警察庁の通達には「撤去等にあたっては、地域住民や道路管理者等の関係者と十分に調整を行うこと」とあります。そこで私は二つ質問しました。

一つは県警から撤去の決定があった時、市民の立場に立って市として県警と調整を行うとともに、できうる限りの安全対策を行うことです。それについては道路管理者の建設緑政局長が「道路の状況や地域の実情等を踏まえ、十分に調整してまいります」と答えました。それは当然です。

しかし重要なのは、県警が撤去を決める前に市民と話し合い、必要な信号機は撤去させないことです。川崎のような市街地しかないような都市で無理やり3割の信号機を「重点点検信号機」に指定され、撤去を検討されたのではたまりません。重点点検信号機を選定した段階で市として情報をつかみ、必要な信号機は県警に市として意見を述べるべき、と質問しようとしたのですが、「担当する部署がない」と言われたのです。これでは市民が知ることもできません。そこで道路管理を担当する副市長にどうするのか質問しました。

答弁をそのまま起こすと「信号機の撤去についての御質問でございますが、交通管理者は信号機の撤去等にあたっては、地域住民や道路管理者と調整を行うこととされていることから、その際には道路管理者として適切に対応してまいります。」でした。適切に対応するとはどういうことか。事前の担当者とのやり取りではこれ以上の言葉が出てこず、つまり、方針がないということがわかりました。今回の質問であらためて問題意識を持ってもらったということだと思うので、あとは県警の動きを見ていくことにして、「いきなり撤去ということにならないようにしてほしい」と要望をしました。

かわら版信号機思い出したのは4年前です。私の地元では4年前、突然信号機が撤去されたことがありました。写真は当時の市政報告です。県警の内部では1年も前に撤去を決めていたのに住民には全く知らせず、撤去するために事業者があいさつ回りをして初めてなくなることを知り、住民の皆さんはあわてて署名を集め、警察署と地元の道路管理者に提出しましたが、あという間に撤去されてしまいました。当時、多摩警察署の担当者は、いろいろ理由は言っていましたが、撤去せざるを得ない理由として「県は信号機の維持費を縮減しており、撤去できるものは基本的に撤去する方針だ」と言われたのが本当に印象的でした。警察庁の通達も目的は老朽化が進む信号機の維持費の節約です。塩川議員が言われている通り、必要な予算を拡充することが必要なのであって、撤去ではないことを引き続き求めていきたいと思います。