井口まみ
井口まみ井口まみ

保育園の民営化はもうやめよう

2008,12,07, Sunday

12月6日、日本共産党川崎市会議員団主催で、シンポジウムを開きました。テーマは「保育園の民営化」。今、川崎市は毎年5園ずつ公立保育園を民営化しています。その手法は公設のまま指定管理者にしたり、新しいところに別の保育園を建てて公立をなくしたり、といろいろですが、共通するのはそこには子供たちがたくさん通っていて、4月1日に、先生がすべて変わってしまうということです。そして、川崎で増えてきたのは、受ける民間の法人が社会福祉法人ばかりではなく、株式会社、儲けをめざす企業であるということです。
小泉構造改革で福祉が市場に投げ出され、全国で保育園の民営化が進んでいる実態を憂える研究者、ジャーナリスト、民営化の実態の渦中にある人が報告をされ、そして現場のお母さんたちから悲鳴にも似た発言が相次ぎました。「子どもは物じゃない。あっちへいけ、この人に面倒を見てもらえところころ変わられて、子どもはどうなるのか」と、怒りが渦巻きました。
おりしも、4月に開設したばかりの株式会社に委託した認可保育園が、いきなり閉園になり、10月30日、「月曜日からここに来ないでください」といわれました。その企業が他の業種の業績悪化で保育事業から撤退することを決めたからです。そのことが、いかに企業というのが福祉と相容れないかを証明しました。川崎市が「ここは任せて大丈夫」とお墨付きを与えた認可保育園なのです。川崎市の責任も免れないと声が上がりました。
いろいろな発言を聞いてつくづく思いました。川崎市はこれ以上民営化してはいけない。企業の儲けのために子どもたちを犠牲にしてはいけないのです。市は「公立のほうがお金がかかるからコスト意識のある民間にやってもらうのだ」といいます。しかし、人を育てるのにかかるお金を減らせるというのは、結局人件費を減らし、安上がりで済む人たちだけで運営するということなのです。ベテランをしっかり育てていく公立の役割は厳然としてあるのです。そのことをみんなで確認しました。
さらに、助言者の浅井春夫先生は言われました。「いま、お母さんたちも公立の先生たちも一番苦しいところにいるでしょう。川崎市は絶対に民営化は進めるといっている。誰も耳を貸してくれないというのも実感でしょう。しかし、皆さんが声を上げていることは、おおきな変化です。そして時代が変わるときはドラスティックにあっという間に変わります。必ず世の中は変わります。公立保育園を民営化してはいけないということは明らかなのですから、必ずこれは実現します。それを信じてがんばりましょう」。
その声を、願いをもっともっと広く、大きく!私たちのがんばりにかかっています。