はつらつレポート

北上市・仙台市視察 その2 -地元業者を守るのが自治体だ

2010年2月11日

仙台市では、たくさんのテーマをお願いし、子ども支援施策、福祉器具の開発、障害者施策など、多岐にわたりました。そのなかで、なんと川崎と違うことよ!と思ったのが、入札制度です。

自治体ではたくさんの公共事業を発注しています。市民生活に関係のない無駄な公共事業は直ちにやめなければなりませんが、必要な工事はきちんとおこなわなければ、たとえば学校や保育園が足りない、水道が届かないなど、ひどいまちになってしまいます。いま川崎ではこういう身近な公共事業が激減し「道路がちっとも直らない」など、苦情がたいへん多くなっています。苦情が増えただけでなく、公共工事をうけてくれる地元の業者がどんどん減っているのです。これは大問題です。いざ災害、というとき、壊れた道路や水道管を直すのは、大手の企業ではありません。地元の皆さんなのです。建物も道路も丁寧なメンテナンスをしてこそ、長生きします。壊してはつくり、作っては放置してまたすぐ壊すというやり方は時代遅れで、どの家もどの公共施設も、地元の人たちにいつも手を入れてもらってこそ、かえって節約になるのです。

全国の自治体で、この地元の業者に優先的に仕事を出し、地元の中小企業を守ろうという動きが大きくなっています。公共事業の入札のときに、地元業者に優先的に発注するという仕組みを持っているのです。仙台市もそのひとつ。市内の公共事業のほとんどは、地元の業者に発注しているのです。

川崎は、そんなしくみがありません。全国どこの業者でも入札に参加できます。しかも電子入札なので、パソコンさえあれば北海道でも沖縄でも入札に参加できます。そのためにどういうことが起こっているか。この不況です。体力のある大手が、「そんな金額でできるのか」というような低い価格で入札し、仕事をどんどん取っていってしまいます。地元の業者はぱったりと仕事がなくなり、まさに死活問題なのです。

公共工事だけで業者の経営を守る必要はありません。しかし、いまの不況はあまりにも深刻です。どの業種もまったく展望がない。こういうときには、まさにニューディール政策で、市民生活に必要な公共事業を地元優先で起こして、仕事をつくり、地域経済を回すことが何より必要です。そこから地域の景気を回復することができると考えています。

仙台市は、「それがあたりまえだ」といいました。そういう自治体が増えているとのことでした。地元にきちんと仕事を出す。その際、やたら安くたたいて悪い品質の者しかできないような金額ではなく公正な金額で出す。あまりに安い額で入札してきた業者は使わない。そういう姿勢が、まともな公共事業になって、地域経済も活性化する自治体の役割ではないかと思うのです。同じ政令都市でさいたま市もそういう制度になっています。なんとしても川崎市も。でなければ、町の中に道路を作ってくれる業者も公共施設を直してくれる大工さんもいなくなってしまうと、真剣に思っています。