井口まみ
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6月議会一般質問 その1--介護保険の補足給付減額をやめよ

202106一般川崎市議会は今日で第2回定例会を終了します。いろんなことがあり、それぞれ報告しなければいけませんが、まずは昨日(6/22)の私の一般質問から。6問取り上げましたが、第1に報告したいのは介護保険の補足給付についてです。あまりの過酷な負担増をやめよと求めました。

補足給付とは、2005年10月から、介護保険の施設サービスなどの居住費と食費が保険給付の対象外となった、つまり自己負担になりました。そこで、低所得者のサービス利用が困難にならないよう、居住費と食費の負担を軽減するために一定の期間、別途保険から給付する制度です。今年3月31日の省令改正により、8月から、介護施設などへの入所者の所得区分の第3段階を二つに区分し、年金収入120万円超の上位に該当する入所者の補足給付を減らし、利用料を月額2万2000円の増加させる、ショートステイ利用者には1・64倍の負担増を強行しようとしているのです。

実施は8月からですが、利用者には通知が届き始め、もう悲鳴が上がっています。この対象者は、年の収入が120万円程度で介護保険料の段階では第4段階に該当する人たち、つまり市民税非課税の方たちです。年間の収入がわずか120万円なのに、年間53000円の保険料を年金から天引きされ、特養などに入所すると利用料が1割かかります。介護度5の方なら年間31万円を超えます。そこへ食費だけで26万4千円の負担増です。このほかにも健康保険が国保や後期高齢なら均等割がのしかかります。

補足給付の減額のむごいところは、終の棲家である特養ホームの食費などが対象なので、逃げることができない、払わないという選択がないということです。とても生きていけないようなむしり取り方です。私は議場で「これが、戦後の日本を支えてきた世代の方たちにするしうちかと、言葉にもなりません。」と述べました。

川崎市内では、この減額の対象者は2600人、総額3億1千万円との答弁でした。これは国の省令で決められたことなので、介護保険特別会計の中で補助できないとのことなので、一般会計からの繰り入れをして2600人を救えと求めました。国は保険料などを下げるために一般会計から繰り入れてはならないと言っていますが、介護保険法で禁止しているわけではないので、私たちは一貫して繰り入れを求めています。その一環としての救済を求めたのです。

答弁は簡単なものでした。「今回の改正は、在宅で介護を受ける方との公平性等の観点から、負担能力に応じた負担となるよう、見直しが行われたもの。そのため、一般財源を用いた負担軽減策については、在宅で生活される方や、介護保険の対象ではない方との公平性を損なう恐れがあることなどから、ふさわしくないものと考える」。

これは国のいいかたそのものです。川崎市の高齢者が本当に困っているのに、それに対する思いも、対策もない。ただただ、一般会計から入れるのは不公平だから、収入が低かろうが、なんだろうが、とにかく払ってください、というだけでした。これが自治体の健康福祉に責任を持つ人の言葉かと情けなく「国がどんなことを言っていても、私たちはこの生きている高齢者の生活を救わなければなりません。それが自治体の役割ではないでしょうか。局長の口から『なんとかしなければ』という言葉が出てこなければ救われない」と、思わず声を上げてしまいました。

しかし、それは局長一人の判断ではありません。本当に市民の命に心寄せるなら、絶対に知恵を絞るはずなのです。その知恵を考えさせようとしない市長がそこにいるから、声を出せないのだと信じたい。市長を替えれば職員の皆さんはいい考えを出すに違いない。今年10月は市長選挙です。今日の本会議で福田市長は出馬表明をすると今朝の各紙に一斉に報道されました。冷たい視聴でいいのか、市民に問いたいと思います。