井口まみ
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土木業者の皆さんと懇談しました

IMG_4707[1]多摩区には「多摩建友会」という、土木業者の皆さんの組織があります。道路の舗装や上下水道の管路の工事、公園の管理などの市の事業を受けることが大変多く、市の予算の多寡によって仕事が大きく左右される業者です。私が議員になる前から、年に1度は多摩区の議員との懇談を行ってきましたが、昨年はコロナで会うことができず、11月22日、2年ぶりに懇談会が行われました。

私は今でも強烈に思い出すことがあります。20年前のことです。市会議員の候補者になり、前任者の代理で建友会の新年会に参加しました。お膳の前に資料があり、当時の会長さんが「表のとおり、川崎市は道路の舗装に関する予算を大幅に削減した。これを元に戻すと言ってもらうまで新年会は開始できない」と厳しい口調で言われたのです。舗装の予算がどう決まるのか、入札の仕組みも何も知らなかった私は、ただただ「こんなに予算を減らしたらどうなるのか」と驚くばかりでした。先輩の議員さんたちが「なんとかがんばる」と言っていたのではないかと思いますが、これが川崎市の行革の最初であり、時には少し増えてもまた予算が削られることの繰り返しで、土木業者の皆さんは、ずっと会社経営のがけっぷちに立たされています。いくつも会社が倒産しました。この人たちがいなくなったら、災害の時、行政も来られない時に、ユンボや重機をもって駆けつけてくれる人がいなくなる。実は大変なことなのです。

IMG_4709[1]今回の要望の中心は、入札の改善です。電子入札が一般的になり、一定の条件を満たした業者なら全国どこからでも入札に参加できます。土木は市の設計図を見れば大体予定価格がわかるので、最低制限価格もほぼ予想が付きます。なので、工事によっては20社が同じ価格で並ぶなんてことも珍しくありません。そうなると電子くじ、つまりくじ引きで落札者が決まります。「宝くじより当たらない」などと言われています。また、悪質な業者がどうしても仕事が欲しくて、材料費も出ないような価格で入札しても、市の調査で経営が悪くないと見られればとることができる。あとで手抜き工事がわかるなんてことも起きかねません。

そこで、この入札の過程のいくつかの段階で、市内の中小業者がちゃんと仕事をとれて、生きていけるようにするための提案がありました。入札に参加する条件を合理的にすることや、総合評価方式で地元貢献をしている会社に点数をつけることなど、具体的な提案がありました。そしてそれをもっと社会的に知らせて、地元の業者がいてこそ地域が発展するということをみんなに知ってもらおうということも話し合いました。

地域の業者に、まともな金額の仕事があることは、地域経済の発展にとって当然のことです。小さな公共工事をなんでも安くやればいいというのは一面的な見方だと議員の中でも一致しています。皆さんの声をどうやって市政に反映させるか。さらに話し合っていきたいと思います。