井口まみ
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第49回つつみ寄席の日でした

第49回つつみ寄席の日でした

2008,12,14, Sunday

あっというまにつつみ寄席の日です。朝から冷たい雨が降って、どうなるかと思いましたが、開会時間には雨が上がって、のぼりも濡れずにすみました。
2008,12,14, Sunday

今回は前座さんが春風亭昇々さん。そう、春風亭昇太さんの弟子です。雑誌の「落語のイケメン」20代の部でトップになったのだそうな。なるほど整ったお顔です。ネタの「天神」は、おとっつあんに天神様のお祭りに連れて行ってもらったきん坊が、何のかんのといいながら出店の飴や団子を買ってもらうその掛け合いが軽妙で、この時期よくかかるものです。
2008,12,14, Sunday 2

二つ目は、つつみ寄席初めての上方落語 の笑福亭里光さん。上方落語は見台という台をおいて、小さい拍子木でたたいて話すのが特徴ですが、見台がないので、講談で使う杓台で代用しました。ネタは「動物園」です。
2008,12,14, Sunday 3

色物は、曲芸の鏡味八千代・初音の女性の二人。天井が低いので、球などを高く放り上げることができず、たいへんそうでしたが、金輪がころころと上手に回ったら「皆様の金回りがよくなりまぁす」なんて、うれしい話!
2008,12,14, Sunday 4

トリは、三笑亭夢花さん。ちょっと歌舞伎役者のようなお顔でしょ。真打になって1年とのことでしたが、なんと!15年前にこのつつみ寄席に前座で来たことがあるとのこと。これが23年続いているつつみ寄席の醍醐味です。ネタは「野ざらし」。誰かのを聞いたときには、なんとなく恐ろしい話だったという印象があるのですが、全身を使って大熱演で、いやおもしろかった。
いつも終わったあと芸人さんと懇親会を開いています。そこで聞いたこと。今日何を話すのかは、その場で、季節や過去のネタを見て決めるというのは知っていましたが、さらに基準があるのだというのです。それは、前座さんが話しているときのお客さんの様子をうかがっていて、どういうところで笑うのか、その微妙な様子を感じ取って、そのときのお客さんの特徴をつかむのだそうです。今日の昇々さんの「天神」は、話の筋はだいたいわかるのに、うまい間の取り方にずいぶん笑いが起こりました。それを里光さんや夢花さんは感じ取って、自分のネタを決めたのだと。落語は話し手と聞き手が一体となって作り上げていくのだなあと、つくづく思いました。
地域で手弁当で作る寄席が20数年50回近く続いているのは本当に珍しいそうです。みんな楽しみで楽しみでこの日を待っています。落語に普段着でぶらっと来ることができるなんて、ここくらいでしょう。だからまた今回も訴えました。木戸会員(年間会員 年会費6000円)にぜひお入りください!これが地域の文化を支える力です。