井口まみ
井口まみ井口まみ

これが給食じゃないなんて

川崎には中学校給食がありません。横浜もないので、神奈川県の中学生は8割も給食がないのですが、全国では8割のこどもたちが給食を食べています。川崎の中学校ではランチサービスというのをやっていますが、これは全額自己負担(400円)で、メニューも業者任せのお弁当を配るだけのもので、ほとんど利用がなく、存続が危ぶまれています。「給食」という定義は、食教育をするという観点から、市の補助があること、栄養士が献立をきちんとたて、その内容を学ぶことですから、ランチサービスは明らかに給食ではありません。

そのなかで麻生区のはるひ野中学校では、ランチサービスを利用する生徒が6割にもなるというので、何が違うのか、実際に試食してきました。いやはや、これはいわゆるランチサービスではありません。一人の親としては思わず「はるひ野の子はいいなあ!」と声を上げてしまいました。

DSCF8709はるひ野中学校は小学校と同じ建物の中にあるので、給食室も共用できます。そこで、あらかじめ広い給食室にして、中学生用の食事も作り、中学生専用の明るいランチルームを作って、そこで温かいご飯と温かいみそ汁、おかずを受け取って、みんなで食べることができるのです。よそのランチサービスはお弁当箱で、おかずは冷たく、汁物をつけることはできません。この違いを黙っていていいのでしょうか!

DSCF8710 ランチサービスを始めて6年でしょうか。400円はあまりにも高いということで、280円のスパゲティーのようなメニューも登場しました。でも注文は増えず、今やクラスで一人とか二人になってしまいました。一方で、相変わらず菓子パン一個という子もいます。食教育を行うという義務教育の役割は全く果たせていないといわざるを得ません。

はるひ野とほかの学校とのギャップをどう埋めればいいのか、すっかり悩んでしまった視察でした。