井口まみ
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岡山に視察に行きました。公民館の役割を学びに

岡山に行ってきました。日帰りで!岡山市には中学校区ごとに公民館があって多彩な事業をおこなっています。それをぜひ学びたいと思ったのです。

川崎では、社会教育法に基づく施設は「市民館」と呼んでいますが、各区に1ヵ所しかありません。分館を持っている区もありますが、多摩区にはなく、人口21万の多摩区にたった1ヶ所しか社会教育施設の拠点がありません。岡山市は人口は70万人で、公民館が37ヶ所もあります。そのひとつひとつが、「市民の生涯の学びの館」として活動していますが、そのなかでも地域と密着した多彩な活動にとりくんでいる、高島公民館を視察しました。

10年に及ぶ労働組合の取り組みが実を結んで、専門の正規職員として社会指導主事が配置されています。高島公民館の吉田さんは、「社会教育法なんて見たこともなかった」という臨時職員の時代に学習を通じてその重要性をつかみ、自ら試験を受けて公民館の職員になります。「教育は学校だけは終わらない。社会人になっても、地域の中でも学ぶ機会をつくるのが公民館」と、地域の中にある資源を活用して自然と親しむ講座や、高齢者が地域に出てこられる機会をつくるための寄席などを公民館主催でおこないます。そうした主催講座が実に多彩です。そのうえに、地域の人たちがクラブ活動を登録し、平屋の小さな公民館に1年間に五万人も訪れるというのです。

ひるがえって多摩区では…。21万人の中に市民館が1つだけ。職員も減らされて、主催講座がどんどん減っています。かつて生田地区に分館を作る予定でしたが、市長が財政難を理由に白紙にしてしまいました。生田地区に住んでいる人は5万人を超えます。5万の都市で公民館がないところなんてありません。子供たちから高齢者まで、「公民館に行けば興味あることをたくさんやっている。いってみよう。見てみよう」という知的好奇心や社会的な要求をかなえられる岡山と何と違うことでしょう。

その岡山にも、公民館を教育委員会から引き離すという攻撃がされていました。川崎でも市民館の管理をするという名目で区役所の管轄下にしようとしています。会議室を貸すだけならだれでもできますが、市民館の役割はそれだけでなく、市民の教育権の保証です。それをするのが教育委員会のはず。川崎でもそういう攻撃を跳ね返さなければ、と思いました。