井口まみ
井口まみ井口まみ

マイナス50度の世界

まだ新年会は毎日続いていますが、正月気分を一掃するように、委員会が始まりました。先日は所管する局の事業を調査する一環として、川崎北部市場を視察しました。市場にはつきものの冷蔵庫--といっても地上3階建て、5階建ての倉庫に冷蔵、冷凍の部屋が並んでいる建物ですが、を運営する会社の経営状況が問題になっているからです。

本来、公設市場というのは、市民生活に欠かせない食料を安定的に供給するために、自治体がその荷を確保するために作られたものです。だからどんな自治体も必ず大小の差はあれ持っています。食料が問題なく流通しているときはあまり意識されませんが、まんいち足りなくなったとき、一部の企業が買い占めて供給しなくなったらたいへんなことになります。食糧の流通はそういうことを防ぐためにこうして自治体が間に入って責任を持って市民にいきわたるようにしているのです。その役割がきちんと果せているかどうかが、私たちの本来の視点です。

冷蔵庫を運営している会社がたいへんなのは、政府の規制緩和のために勝手に食品がでまわるようになってしまったため、市場に荷が来なくなっていることが最大の原因です。実際に冷蔵庫を視察しましたが、高性能の超低温室などを持ち、これによって荷を集めて効率的に運営しようとしているようすについて説明がありました。やはり、市場本来の役割が発揮できるように流通のあり方をたださなければ、いくらいい冷蔵庫を持っていても、宝の持ち腐れだということが私の思いでした。

untitled それにしても冷蔵庫を視察するのには適さない時期でした。寒いのなんのって。超低温のマイナス50度の部屋は、高級マグロが保管されているとのことで、中に入れてもらいましたが、こっちがごろごろと凍ってしまいそうで、あわてて出てきました。外の空気があったかいと感じるほどでした。いろんな体験ができるものです。