井口まみ
井口まみ井口まみ

映画「アンダンテ~稲の旋律」の初日です

映画「アンダンテ~稲の旋律」の初日です 待ちに待った「アンダンテ~稲の旋律」の映画化。今日は公開初日です。何があっても行こうと思っていたのでした。舞台あいさつのある回には間に合いませんでしたが、しっかり見ることができました。

旭爪あかねさんの『稲の旋律』を読んだのはもう何年も前です。いつかこれが映画になったらいいなあ、と思っていたのです。10年も引きこもりになってしまった主人公の千華。偶然めぐりあった千葉の広い青々とした田んぼのなかで、自分を取り戻していきます。原作を読むだけで、息苦しい都会と、太陽のまぶしい農村の空気がわかり、子どものころに胸いっぱいすった太陽のにおいや、稲穂の輝きが手に取るように分かって、その香ばしさのなかにいるように思ったものでした。人と人との関係も稲が育つように成長していきます。映画も、まさにその通りでした。

旭爪あかねさんとは、親しくお付き合いさせていただいていますが、目に見えるものだけでなく、風景のにおいや空気の色を文字にできるというのが本当にうらやましいと思います。日本の食料自給率が下がり、効率ばかりを追いかけることがどれだけ問題かという現実もきちんと織り込みながら、それがすとんと胸に落ちる。そういう言葉を使える人が本当にうらやましい。

『稲の旋律』は3部作の第1作で、先月第3部が発刊され、完結しました。その結末を私は知っています。なるほどこうなるのか、と納得する結末は言いません!どうぞお買い求めください!そして、映画をぜひご覧ください。心がほかほかになります。いま、私の心の中がほかほかであるように。川崎ではまだ上映の予定がありません。これはなんとしても実現しなくてはいけないと思いました。実行委員会つくりませんか!