井口まみ
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生田浄水場で微量の放射性物質が検出されています

福島第1原発の事故は、この川崎にも深刻な影響を広げてきました。浄水場の水から放射性物質がわずかですが検出されるのです。それが生田浄水場だけなのです。大丈夫なのかというお問い合わせをいくつもいただいています。私も専門ではないので、むずかしいのですが、あちこち聞きまわってわかったことを書いておきたいと思います。

東京都の金町浄水場でヨウ素131が1リットル中に210ベクレル検出されたのが3月22日でした。それから各自治体が浄水場ごとに毎日検査結果を公表していますが、首都圏では、金町浄水場で数日続いた以外はずっと不検出です。しかし生田浄水場だけは、ほぼ毎日10ベクレル前後の数値が出ています。

まず東から放射性物質が飛んでくるのに、なぜ川崎だけか。それは、検査する機械の精度の問題だそうです。不検出なのではなく、小さい値が出てこないので、東京では20ベクレルくらいから下が「0」になってしまう。また川崎より西でも、いま神奈川で使っている機械(横須賀市でみんな検査しています)は東京よりは精度がいいのですが、それでも小さい数字が出てこないので、神奈川の一番東の川崎がやはり数値が高く、その10前後だけが数字として出てしまう。これは、事実です。

生田浄水場の原水である井戸は浅井戸なので、多摩川の水が地下に染み込んで地下水に混じっていると考えられています。放射性物質の原因は、福島第1原発以外には考えられません。この事故が収束するまで、どこの水ももとにもどらないというのが今の深刻な事態です。現在の基準は、「1年間、相当量の水を毎日飲み続けた場合、影響があると考えられる数値」(厚生労働省)であるため、乳児の基準の10分の1以下ではただちに影響はない、というのですが、今後どうなるかわかりません。川崎市としていまから対策を考える必要があります。

私は13日、川崎市上下水道局に対し、いくつかの要望をしました。第1に、専門家の知見ももらい、生田浄水場だけに数値が出る原因を明らかにすること。第2に、数値が出ている以上、安全な水を市民、とりわけ乳児に配る手立てをとること。それを広く広報すること、などです。

原因究明をしようにも、検査の機械もありません。川崎市は、自前の検査機器を購入することにしました。しかし全国から注文が殺到しているため、早くても3ヵ月後!だそうです。ペットボトルの「生田の恵水」もちょうど在庫切れで、4月末にならないと入荷しないので、とりあえず、いざというときには、安全な災害用の貯水槽の水を配る用意をしているとのことでした。これらは川崎市のホームページで「Q&A」という形で広報しているようです。

「原発は事故を起こさない」という安全神話が、こんなところでも「どうしていいかわからない」という事態を生んでいます。根拠のない安全神話にしがみついた政府と電力会社の罪深さをいまさらながら恨みます。私ももっと勉強しながら、具体的な対策を求めていきます。