井口まみ
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生田浄水場の放射性物質問題で、「会」の申し入れに立ちあいました

DSCF9625 「かわさきの安全でおいしい水道水を守る会」が、川崎市上下水道局に対し、生田浄水場の放射性物質問題で申し入れを行いました。その現場に立ちあって、あらためて、市民の健康を守るためにどんなにたいへんな問題かということを感じ、今回の原発事故は本当に許せない、と思いました。

「会」の申し入れは、

1 専門家による生田浄水場など川崎市の水源と水道水の放射性物質混入の原因究明を直ちにおこなうこと。

2 市独自に放射能の検査機器を導入し、浄水後の水だけでなく、多摩川の表流水、地下水の原水、相模湖の原水など、常時監視体制を作ること。

3 放射能汚染があった場合の緊急対応マニュアルを作成し、市民に安全な水が供給できるようなバックアップ体制を作ること

4 測定データ発表には、川崎市がこれまでおこなってきた記述に変えること。川崎市独自で測定できるようになったときは、測定時間を増やし、精度の高いデータを出すこと。また、測定方法、機器、時間採取場所、時刻なども明記すること。

という内容でした。どれも切実で、市民が「わたしも聞きたい」というようなことだと思います。

市の回答は、原因究明をおこなう方法も、今後の対応も「検討中」ということで、具体的な回答ではありませんでした。検査する機械も、購入することは決めたのですが、メーカーに注文が殺到していて、納品は早くても3ヶ月から4ヵ月後とのことで、「すぐこうやります」といえない苦しさがありありでした。でも、私たちもこのまま手をこまねいて待つわけにはいきません。「会」のみなさんは、「できることから直ちに実践を」と、データ公表の際の表記のあり方や、大きな数字が出た時の市の対応について意見を述べました。

私はそのやり取りを聞いていて、つくづく、「原発は安全だ」といって国を先頭に放射能汚染の対策を一切おこなってこなかったことが、いかに罪深いかということを思いました。神奈川県内に、水の放射性物質を検出できるところはたった2ヶ所。そのうち、県の衛生研究所は自分のところの水を検査するだけでめいっぱい。たまたま横須賀市が持っていた機械で、神奈川県の水を全部検査しているのです。だから川崎市も、3つの浄水場の水を検査してもらうだけでこちらもめいっぱいです。水道水に放射性物質が混入するなんてまったく考えておらず、いつどこでなぜ混入したのか知ることもできないというのは、これだけ原発が並んでいる国で、やはりあまりにもずさんだったと思わざるを得ません。

横須賀市が検査機器を持ち、3ヶ月に1回はウランやウラン化合物の検査をおこなっているのは、原子力空母の母港になっているからで、市の防災対策にも「原子力防災対策」があるくらい、事故に対する意識があるからですが、実は、この防災計画を作らせたのは、日本共産党のはたの君枝さんが国会でとりあげたことがきっかけでした。日本共産党が国会でことあるごとに、原発に対する安全神話を批判し、防災対策を求めてきました。福島第1原発の電源の問題も5年前にすでに指摘していました。横須賀の原子力空母で事故があればこの川崎にも影響があることも知っていましたが、対策を具体化するという点では、私自身も自分の問題としてこられなかったなあ、と反省しています。

福島の事故がいつ解決するのか、まったくわかりません。この日の申し入れで上下水道局は、「まったく何もしていないわけではない。一日も早く市民のみなさんに対策を明らかにしたい」と述べていました。このところ数値も検出されていないようで、本当にどうなっているのかわかりませんが、完全に元通りになることを明らかにするまで、追及の手を緩めてはならないと考えていますし、次にいつどこで大きな地震があるかわかりません。震災対策も含めて安全な水を守らせるためにやるべきことがたくさんあると思った申し入れでした。