井口まみ
井口まみ井口まみ

ひとよんで「乱開発ツアー」!その名の通りのツアーでした

日曜日、「乱開発ツアー」なるものに参加しました。市内、特に北部で次々に起こっている、無理無体なマンション建設や斜面の造成に反対している住民が連帯して、それぞれの現場を見てもらおうというツアーです。4年ぶりの開催で、今回は一日で8ヵ所をまわるという強行スケジュールでした。マイクロバス1台に乗用車が数台ついて40人以上が見てまわる人たち。現場ではそれぞれ現地の人たちが歓迎して集まってもらうので、このツアーに集まった人たちは全部で150人を超えました。どの現場も「こんなところに作るの?ひどい!!」というところばかり。8ヶ所のうち5ヶ所は私がかかわっている運動なので、知らないわけではないのですが、たくさんの人が「ひどいねえ」というのを見て、あらためて「そうか、ほんとにひどいんだ」と再認識。いよいよ、そんなひどい建設は止めさせなければ、と思いました。

DSCF9672 高津区久本。現場に行って思い出しました。11年前、初めてこういう運動にかかわったのがここでした。地上3階地下8階という信じられない建物が第1種低層住居専用地域に出現し、その反対運動に参加しました。その後市民が本当に頑張って、そんなわけのわからないマンションができないような条例も作った、最初の場所でした。その隣に、いま、地上4階地下3階のマンションが建てられようとしています。この写真の土地に1階を建てるとすれば、3階までしかできないはずなのに、盛り土をして架空の地盤面を作ってかさ上げをします。隣のマンションの目の前に、よう壁を作って機械式駐車場をつくるのですが、機械式駐車場は建築物ではない!とのことで、どれだけ日影を作ってもかまわない。お隣のマンションの人たちはほとんど日が当たらなくなります。

 

DSCF9673 宮前区神木本町。4年前、ここはうっそうとした谷戸でした。谷戸の半分を15メートルも埋め立てて、宅地にしました。谷戸の底には湧き水があって危険だと近隣のみなさんが本当に頑張って、地盤改良をさせて安全性を確保したその土地のさらに奥のみどりが今、開発の危機にさらされています。このみどりをすべて埋め立てて、もっと宅地を広げるのですが、4年前に最初からこの土地全体を開発すると手続きがめんどうだと、手続きを逃れるために2年待って、この奥に手を付けてきたのです。なんとあくどいことか。4年前のあの面影はもうどこにもありません。でもせめてこのまわりの緑だけでも残せないのか。

 

DSCF9685 多摩区長沢2丁目。うっそうとしたこのみどりは全部削られ、戸建住宅が斜面にびっしりと張り付く計画です。でも、住民が粘り強く交渉していて、もう1年も工事を始めることができません。土砂を運び出すダンプは5分に1台。それが何ヶ月も続きます。地震やゲリラ豪雨の心配の中、万全の安全対策を打つまで工事は容認できないとがんばっています。

 

DSCF9687 多摩区菅馬場日本女子大の深い森と地続きで、緑地保全のために川崎市が買ってもいいといっているのに、宅地に売られてしまいました。しかしここは道路が狭くて開発が許可になりません。業者は、許可の要らない500平方メートル未満に分割して、少しずつ開発するという手を編み出しました。しかしたくさんののぼりがたち、そんな脱法行為は許さないという市民の目が、次の工事に入らせない大きな力になっています。

 

DSCF9693 多摩区西生田1丁目。写真に写っている空き地に4階建てのマンションができると、なんと、うしろの白いお宅には、冬、1分も日が当たらなくなる計画です。本来そんな家があってはいけないのですが、法の網の目をくぐると、そういうことができてしまうのです。とても信じられません。

 

DSCF9704 多摩区西生田4丁目。ここでものすごい雨が降り出しました。とても現場に下りていくことができず、マイクロバスの中で説明をしてもらいました。そのとき、側溝から水が溢れ出しているではありませんか。雨が降り出してまだ15分もしないのに、雨が噴き出しています。思わずびしょぬれになりながら写真を取ってきました。こうした雨が繰り返し降っているときに、このみどりが全部コンクリートになって、下にさらに流れていったとき本当に大丈夫なのか、心配がいっそう増しました。

 

DSCF9708 最後が多摩区菅仙谷。よみうりランドの巨大埋立て予定地の真下にあたるところです。だれにも教えずに開催した説明会では、納得がいかないと、住民のみなさんは事業者のよみうりランドに、「説明会を行ってほしい」と要請しました。先日ランドから公式に返事があり、「説明会はもうやらない」。頭にくるのを通り越してあきれて物も言えない。再び議会に請願を出して、住民の願いを聞いてもらおうとしています。

 

どれをとっても、周辺の住民の願いは、ほんとにささやかでまっとうです。もうかりさえすれば、隣に1分も日が当たらなくても、雨で土砂崩れがおきるかもしれなくてもおかまいなしというやり方は、もう止めさせないといけないとつくづく思いました。

それにしてもこの日は午前中は30度近くまで上がってかんかん照りで、午後雨が降り始めてからは一気に寒くなって、なんともすごい日でした。みなさんごくろうさまでした。