井口まみ
井口まみ井口まみ

総務委員会の視察は福岡・北九州市でした

毎年この時期に各常任委員会ごとに、視察があります。私は今年は9年目にして初めての総務委員会。教育委員会や総務局、財政局などを所管する委員会で、一番担当部局が多いのですが、今年は教育委員会関係の施策を勉強しに、福岡市、北九州市に行きました。

福岡市では、2つの項目について勉強したのですが、これは使える!と思ったのが、「給食費の公金化」です。給食費はほとんどの自治体が、川崎市でも、学校が集めています。食材費の業者への支払いも、未納者への連絡も全部先生たちが業務の合間にやっています。この負担が大きすぎることと、給食の実施主体は市なのだから市が集めるべきだということで、一切のお金のやり取りを教育委員会で行うことにしたというのです。これは学校現場から見ると本当にうらやましいと思われるでしょう。福岡市は中学校給食も昭和48年から行っているとのこと。課題は、給食費が未納になったとき、その家庭の事情をきちんとつかんで指導する方法が必要だということでした。

IMGP0241 北九州市でも2項目。そのうちの一つがやはり給食で、なんと北九州市はおととしから3年計画で、すべての中学校で完全給食をおこなったということです。やり方がユニークで、中学校では給食室を造るスペースも費用もないので、近くの小学校の給食室で中学生の分もつくり、食缶をトラックで運ぶという「親子方式」というのを導入したということです。現地を見ることができず、パワーポイントの写真しかなくて見づらいのですが、この食缶がすぐれもので、小学校のおかずよりもあたたかいまま出せるとのことです。弁当方式でなく完全給食にしたのは「生きた食教育は完全給食でしかできないから」。食生活が乱れてしまう中学生のときに、しっかりとした食教育を行うためだと、担当者ははっきりと述べました。実際、薄味の給食に驚き、日ごろの塩分の取りすぎを実感しているとか、よくかまないと食べられないおかずが残り、日ごろの生活を見直しているとか、何とうらやましい!しかし、川崎市との決定的違いは、この親子方式は「小学生の人数が減っているので給食室に余力があるからできた」ということでした。私たちは、給食室をどうするかということが決定的なネックになって、弁当を外から運ぶ「デリバリー方式」でやむをえないかなあと考えていますが、本当なら完全給食がいいということを改めて実感しました。

それにしても、中学校給食の課題で総務委員会という超党派で視察ができるというのは、時代が進んだなあという思いです。これまで、市長が絶対に中学校給食はやらないという姿勢で、それをいくつかの会派が認めていましたが、3月議会で、全会一致で川崎市に対して「中学校給食を実施せよ」という意見書をあげたことが、転換点でした。いま議会には、中学校給食を早く始めてほしいという陳情が出ています。この総務委員会でどんな議論ができるか、この視察はみんなとても勉強になったと思います。