井口まみ
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第55回稲田つつみ寄席は大入り満員!

PENTAX DIGITAL CAMERA55回記念に、記念の景品を出しました。招福のトイレットペーパー!100個用意して6個しか残らない、大入り満員でした。

PENTAX DIGITAL CAMERA前座は柳亭明楽さん。「たらちね」です。大工の八五郎のところにお嫁さんが来る。しかしわけのわからない漢文調の丁寧な言葉で話すのが玉に瑕。その言葉のやり取りが面白いのですが、あらっと思ったのが、最後の落ちです。よくわからなくて、「どうしよう」と思いました。「酒なら『よってくだんのごとし』だな」。

寄席のあと、芸人さんと懇親会を開くのがつつみ寄席のお楽しみです。ここで平治師匠が説明してくれました。この話は、この落ちがみんなよくわからないので、違う形で終わってしてしまう人もいるそうです。お嫁さんが「朝なのでご飯を食べましょう」というのを、やたら長くて難しい言葉で述べた最後に「恐惶謹言(きょうこうきんげん)」といいます。これは手紙の最後につける言葉で、「以上申し上げました」という感じですかね。それをきいたはっつぁんは「飯が恐惶謹言なら、酒なら『依って(よって=酔ってにかけた)くだんのごとし』だな」というわけです。「よってくだんのごとし」も手紙の最後につけることばだったそうです。手紙にそういう言葉を書いていた時代ならすぐわかる落ちだったのでしょう。これをしゃべった明楽さんは、話に出てくる七輪もわざわざ見せてもらうまで知らなかったそうです。落語を聞くにも教養が必要?ですね。「たらちね」という題名もひねっていて、そこから内容がすぐ思い浮かばない。奥が深い落語です。

PENTAX DIGITAL CAMERA二つ目は昔昔亭桃之助さん。「肥がめ」です。結婚祝いにお金がないので、道具やで肥がめを買って、それを知らん顔して台所の水かめとして渡してしまう。その水をつかって食事を出してもらったからたいへん…というわけですが、これを聞いて、水道がなく、水を汲んで来ては使わなければならない生活に思いをはせました。地震が来たら、そうなるんだよなあ。ちゃんと水を確保できるのかなあ。あ、話がそれてしまいました。

PENTAX DIGITAL CAMERA色ものは手妻。日本の手品です。北見翼さん。21歳のイケメンです。日舞も習っているというすらりとしたたたずまいの手元で、ええっという手品が繰り広げられます。みんなかたずをのんで見入っていました。最後に、スカーフの中から和傘が出てきて、それはびっくり。この傘をかざして見えを切った姿がとてもかっこよかったのですが、見とれてカメラを出すのが遅れて、写真がありません。残念!

PENTAX DIGITAL CAMERAとりは桂平治師匠です。これでつつみ寄席は8回目。前座のころから来ていただいています。今年9月には11代目桂文治の大名跡を襲名します。今回のネタは「幽霊が辻」。私は初めて聞いたのですが、結構有名なネタだそうな。基本的には幽霊の話で怖いのですが、その時みんなが知っているようなことを次々に足していく、面白いネタなのだそうです。そうとは知らず、怖かったり、突然私の名前が出てきたり(私は年取ったおばあさんの名前になっていました。後でこのおばあさんが幽霊だったとわかります。幽霊にしては太いって?!)、とまどってしまいました。たっぷり50分。大熱演でした。文治になっても来てくださいね。

次はいつかな。誰が来るかな。楽しみです。